1994 Fiscal Year Annual Research Report
超微粒子の光駆動原理を用いた新微細加工法に関する研究
Project/Area Number |
06750111
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
池野 順一 豊橋技術科学大学, 工学部, 講師 (10184441)
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Keywords | 超微粒子 / 微細加工 / 光圧力 / レーザトラッピング / YAGレーザ / 超精密加工 / レーザ加工 |
Research Abstract |
砥粒加工では、砥粒の運動は機械的な作用によって与えられる.この場合,研磨板や研削砥石といった工具が必要となる.しかし,これらの工具を微小化するのには限界があり,複雑な形状のナノレベル加工に対してはこれらの工具は実用不可能である.そこで,砥粒の運動を他の作用に委ねることが必要となる.本研究では、まず光の放射圧によって、非接触で砥粒の運動方向を制御することを試みる。次にこの砥粒制御法を用いて高精度微細加工法の実現を目指す. 光の放射圧で砥粒を捕らえ、これら砥粒で加工を行うには高出力YAGレーザ発振器とレーザによる損傷を避けて集光できる光学顕微鏡が必要である。そこで、まず高出力YAGレーザ発振器と光学顕微鏡を購入し、顕微鏡内部ミラーの改良、ビーム走査装置の作成等を行い実験装置の構築を行った。 YAGレーザ装置は連続発振器TEM_<00>18Wのものを選定した。一方、本レーザに対し従来のIR対応型顕微鏡は対応不能であった。そこで、内部ミラーに特殊コーティングを施し、対物レンズにYAGレーザ光線を透過しやすい材質を用いるなどして対処し使用可能な顕微鏡を構築した。また、顕微鏡外部の光学系では2次元の自由な走査パターンを創成するため、X軸,Y軸両方向に同時走査可能なビーム走査装置を作成した。これには2個のガルバノミラーをあて、ミラーには特殊コーティングを施した。さらに、これらをD/A変換ボードでパソコンに接続して制御システムを構築した。 上述した装置の作成、特に光学系の設計、作成に多く時間を費やした。そのため基礎実験に不十分な時間が割けなかったが、砥粒がレーザ光線により走査可能であることが判明した。予定していた微細加工に関する実験まで行えなかったが、実験装置がほぼ完成しているため、今後は順調に研究計画を遂行できるものと考えている。
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