1994 Fiscal Year Annual Research Report
高圧力プラズマによる高効率ラジカル反応加工に関する研究-加工面評価及び有効な反応系の究明-
Project/Area Number |
06750122
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山村 和也 大阪大学, 工学部, 助手 (60240074)
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Keywords | プラズマ / 高圧力 / プラズマCVM / ラジカル / ハロゲン / 第一原理分子動力学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、我々の提唱する常圧下でのプラズマを用いた新加工法プラズマCVMにおける加工現象ならびに有効な反応系を、加工実験ならびに量子力学シミュレーションにより解明することにある。 本年度は、まず加工実験を行なうためのプラズマ励起によるラジカル照射型加工装置を製作し、それを用いたシリコンのハロゲンラジカル(フッ素,塩素)による加工実験および加工特性データの取得を行なった。その結果、フッ素を用いた場合にはほぼ100%の反応ガス利用率が得られたのに対し、塩素を用いた場合には加工現象が全く見られないという、明確な加工特性の違いが得られた。このことは、電気陰性度の大きさからくる反応性、ならびに常温下における反応生成物の蒸気圧の大きさ等を考えると、直感的には理解しがたい結果である。そこでこの結果を考察するために、シリコンとフッ素ならびに塩素の反応性を第一原理分子動力学シミュレーションにより解析を行なった。解析にはSi(001)2×1再構成表面のダイマー部にハロゲン原子を2個吸着させたモデルを用い、第一原理分子動力学により構造緩和を行なって吸着安定構造を求めた。次に吸着安定位置においてポピュレーション解析を行ない結合の強さを表す結合次数を求めたところ下表の結果を得た。 これより、フッ素を吸着させた方がよりシリコン側の結合が弱くなることが分かり、実験結果と定性的に一致することが分かった。今後は他の材料と反応ガスの組み合わせにおいても同様に実験とシミュレーションの両面から解析し、プラズマCVMにおける加工機構の解明を行っていく予定である。
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