1994 Fiscal Year Annual Research Report
圧分密度の異なるイオン窒化粉末焼結歯車の面圧強さに関する研究
Project/Area Number |
06750148
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大上 祐司 岡山大学, 工学部, 助手 (60203709)
|
Keywords | 粉末焼結歯車 / イオン窒化 / 圧粉密度 / 面圧強さ / 気孔 / スポーリング |
Research Abstract |
イオン窒化粉末焼結歯車の面圧強さを評価するために,3種類の圧粉密度(6.5,6.9,7.3g/cm^3)を有するモジュール5,基準圧力角20°の歯車を用いて圧粉密度と面圧強さの関係および圧粉密度,気孔分布,面圧強さの3者間の定量的関係を得て,イオン窒化粉末焼結材の歯車への適用に関する基礎的データとしての圧粉密度と面圧強さとの実験的関係式を得ることが本研究の目的である.本年度においては歯車の歯面をモデル化した3種類の圧粉密度(6.5,6.9,7.3g/cm^3)を有するイオン窒化粉末焼結ローラを用いて滑り・転がり接触条件下で疲れ試験を行い,歯車の面圧強さに及ぼす圧粉密度の影響を調べた.その結果,損傷形態は滑り・転がり接触面がはく離するスポーリング損傷で,損傷には圧粉密度の違いは現れなかった.面圧強さについては,圧粉密度が高くなればなるほど面圧強さは増し,最も圧粉密度が高い7.3g/cm^3の試験片の面圧強さは,ほぼ鋼の面圧強さに近かった.画像処理装置を用いて気孔分布の計測を行った結果では,圧粉密度が高いローラほどその内部に存在する気孔のサイズはより小さくなり,かつ気孔はまばらに分布していた.これらの結果から,現在(平成7年2月),圧粉密度,気孔分布,面圧強さの3者間の定量的関係をFEM,統計学,破壊力学などの手法を用いて解析し,焼結歯車の面圧強さ設計に有用である圧粉密度と面圧強さとの実験的関係式が得られるよう検討している.また,本研究成果をまとめて学会発表するための準備を行っている.今後,表面硬化された焼結歯車に表面コーティング,ショットピーニングなどを施し,焼結歯車の強度向上のための研究を行う予定である.
|
Research Products
(1 results)