1994 Fiscal Year Annual Research Report
非線形フィードバック制御による1入力2重柔軟振り子の運動と振動の同時最適制御
Project/Area Number |
06750223
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
西村 秀和 千葉大学, 工学部, 助手 (70228229)
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Keywords | 非線形制御 / 運動制御 / 振動制御 / 同時最適制御 / 柔軟振り子 / 非駆動関節 / ニューラルネットワーク / ロバスト制御 |
Research Abstract |
当該研究では,根元第1関節を非駆動関節とし第2関節のみにアクチュエータを有する1入力2重柔軟振り子を制御対象として,運動と振動の同時最適制御を行う非線形フィードバック制御系を設計した.すなわち,非線形関数をネットワーク状に結んだニューラルネットワーク形のコントローラを用いて状態フィードバック制御を構成し,これを最急降下法により最適化し,かつ柔軟振り子の弾性変形を積極的に利用することにより運動と振動の協調制御を行い,当該制御系が非線形性の強い,広い領域にわたって制御対象を自在に操ることのできることを数値計算と実験により検証した。 まず,根元第1関節を非駆動関節とし第2関節のみにアクチュエータを有する1入力2重柔軟振り子について,モデリングを行った.モデリングで得られた非線形運動方程式を状態方程式表現し,これを非線形フィードバックによる制御系を構成し,コンピュータを用いた数値計算により変分法と誤差逆伝播法に基づく勾配関数を用いて最急降下法により制御系の最適化を行った.さらに,実験モデルの設計・製作を行った.各関節の回転角度はロータリエンコーダによりアップダウンカウンタを介して検出し,また,各アームの弾性振動はひずみゲージ式加速度センサを用いて検出する構成とした.製作された実験モデルを実験モード解析することによりモデリングの妥当性を検証し,制御実験ではDSP(Digital Signal Processor)に数値計算によって設計された制御系を実装した.実験結果が数値計算に良く対応したこと,モデリングの際に生じるパラメータ誤差に対してロバスト性を有することから,本手法による非線形フィードバック制御の有効性が実証された。
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