1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06750224
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡 宏一 東京大学, 工学部, 助手 (10160649)
|
Keywords | 静電気 / 非接触浮上 / リニアアクチュエータ |
Research Abstract |
静電気力を用いて物体の非接触搬送を行う研究を行った.このシステムは,電極と浮上体の間のギャップを調整することにより,浮上力を制御し非接触浮上搬送を行うものである.1自由度浮上機構において浮上可能であることを確認できたが,3自由度の浮上装置での浮上は成功せず,当初の目的である搬送機構を構成することは失敗した.本年度の研究実績の概要を以下に述べる. まず,1自由度浮上装置を製作した.電極を平行バネ,浮上体をリニアガイドで,それぞれの運動の自由度を1自由度に拘束した.浮上体としてはシリコンウエハを用い,電極は自作した.電極の駆動源としてボイスコイルモータを用いた.この装置において浮上実験を行い,浮上に成功した.制御性能を確認するために,浮上体位置を目標としたステップ応答について数値シミュレーションおよび実験を行った.その結果ほぼ予想通りの結果を得ることができた.他方,電極と浮上体の間の隙間は,面積が広くかつ距離は狭いため,電極位置が変化したときに,隙間にある空気の圧力が瞬時に大気圧にならない.よって電極や浮上体に外力が働く.この影響と考えられる現象が実験において確認された. 次に非接触浮上を目的として3自由度制御装置を製作した.シリコンウエハを3つの電極によって浮上させるものとし,電極の形を120度の扇形とした.ゲインおよび0点位置などを調整し浮上を試みたが,浮上は不可能であった.原因は,隙間の空気圧の影響であると考え,まず1自由度のシミュレーションを空気圧の影響を考慮して実験結果に合うように行い,その結果に基づいて3自由度のシミュレーションを行った.この結果,実験に用いたゲインでは,浮上が不可能であることがわかった.この対策として,ゲインをより広い範囲で探す,空気圧の影響を受けないような電極とする,などの方法が考えられる.これらについては,現在引き続き実験を継続している。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 山本晃生、樋口俊郎、岡宏一: "リニアアクチュエータを用いた静電気力による非接触浮上機構に関する研究" 平成6年電気学会全国大会講演論文集. 7-178 (1994)
-
[Publications] Koichi Oka and Toshiro Higuchi: "Magnetic Suspension System with Permanent Mognet Motion Control" Proceedings of Fourth International Symposium on Magnetic Bearings. 131-137 (1994)