1994 Fiscal Year Annual Research Report
スライディングモード制御と最適制御を併用した水中回転弾性アームの位置決め制御
Project/Area Number |
06750245
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
川島 豪 神奈川工科大学, 工学部, 助教授 (70186089)
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Keywords | 水中ロボット / マニピュレータ / 位置決め / スラスタ / 柔軟構造物 / スライディングモード制御 / 最適制御 |
Research Abstract |
水中ロボットのマニピュレータ用位置決め制御システム開発においては、先端に把握された物体によらない迅速で正確な位置決めが要求される。すなわち、先端物体に対するロバスト性が重要となる。そこで本研究では、あまりエネルギー効率は良くないが高いロバスト性を有すると考えられているスライディングモード制御を任意形状の物体を把握したスラスタ駆動式水中回転弾性アームの位置決めシステムに適用することを考えた。しかし、デジタル制御を前提に離散時間スライディングモード制御を水中回転弾性アームに適用すると等価制御による超平面での滑り運動の安定性を確保できないことが明らかになった。そこで、最適制御における状態フィードバック式を超平面の定義式とすることにより目標位置での安定性を確保し、スライディングモード制御のハイゲインによるロバスト性を合わせ持つ制御システムの開発をめざし、離散時間スライディングモード制御と最適制御を併用したクラスタ駆動式水中回転弾性アームの位置決め制御システムを開発した。そして、模型を製作して制御実験を行い、開発された制御システムの有効性を確認した。得られた主な成果を以下に示す。 1.最大推力30Nのスラスタにより、長さ851mm、外径19mm、内径17mmのアルミ製アームを1秒以内に90度位置決めさせることができた。さらに、アーム先端に水を満たした径120mmの球形、1辺150mmの立方体形、120mmの三角錐形のアクリル容器を取り付けて制御実験したところアームを速やかに位置決めさせることができ、本手法の先端物体に対するロバスト性が確認できた。 2.アームが目標位置に近づいた0.85秒から4秒までの目標位置との自乗誤差をアーム全長にわたり積分した評価値を最適制御のみの場合と比較した結果、10%程度小さくすることができ、本手法の優位性が確認できた。
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