1994 Fiscal Year Annual Research Report
多自由度ロボットのモーションフュージョンによる多機能適応型力制御の実現
Project/Area Number |
06750288
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
村上 俊之 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (00255598)
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Keywords | 適応力制御 / モーションフュージョン / 加速度制御 / 多自由度冗長ロボット / 力センサ / 視覚センサ / 反作用トルク推定 / コンプライアンス制御 |
Research Abstract |
近年,ロボットの利用範囲の拡張に伴い,より多機能な動作を実現できるロボットの開発に多大な関心が寄せられている.このため,ロボットの多自由度化と各種センサを駆使した制御法が数多く提案されている.しかしながら,実際の動作において位置および力制御を統括的に扱えるシステムの実現はなされておらず,ロボットの多機能化を行う上で一つの大きな障壁となっている. 本研究では,上記の問題を改善するため,多自由度冗長ロボットの多機能化を支援するセンサフュージョンシステムを構築した.センサとしては,高速画像処理システムを装備した視覚センサおよびロボットの先端に作用する力を検出する力センサを用いている.また,センサ部以外での力制御をも可能にするため,ロボットの各関節に反作用トルク推定用の状態観測器を構成している.本研究では,構築したセンサフュージョンシステムに基づきビジュアルフィードバックによる加速度制御系の構成アルゴリズムを確立した.同制御系により,通常の位置制御から接触を伴う力制御への移行がスムーズとなり,仮想的な空間インピーダンスによるコンプライアンス制御が可能となる.また,冗長ロボットにおいて,姿勢制御の空間として活用できる零空間ベクトルに状態観測器からの反作用トルクをフィードバックすることで,任意の姿勢で所望とするコンプラインアンス特性をセンサの取り付け位置に依存することなく実現できる.これは,従来の制御法では実現し得なかったことであり,本提案システムの一特徴といえる.上記アルゴリズムは3自由度ダイレクトドライブロボットおよび4自由度冗長ロボットを用いた実機実験により検証した。
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[Publications] Toshiyuki Murakami: "Null Space Damping Method for Robust Controlled Redundant Manipulator" IEEE International Conference on Industrial Electronics(IECON'94). 2. 755-759 (1994)
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[Publications] 村上 俊之: "多自由度垂直多関節ロボットにおける絶対位置の一推定法" 電気学会論文誌D産業応用部門誌. 115-D-1. 88-89 (1994)
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[Publications] 村上 俊之: "軸ねじれ糸の新しい制御法:共振比制御" 平成6年電気学産業応用部門全国大会. 1. S315-S318 (1994)