1994 Fiscal Year Annual Research Report
アモルファスSiO_2薄膜中の構造欠陥が電気的・光学的特性に及ぼす影響
Project/Area Number |
06750333
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
石井 啓介 早稲田大学, 理工学部, 助手 (30257208)
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Keywords | プラズマCVD / シリカガラス / 絶縁薄膜 / シンクロトロン放射光 / 点欠陥 / 光学的測定 / 破壊電界 |
Research Abstract |
1.プラズマCVD法によりテトラエトキシシランから堆積したSiO_2薄膜(TEOS-SiO_2薄膜)の光学特性を調べた。研究には、シンクロトロン放射光を用いた。堆積温度が600℃の時、7.6eVの光吸収帯と、7.6eV光の励起による4.4eVの発光帯が観測された。7.6eVの光吸収かつ4.4eVの発光は、酸素空孔(≡Si-Si≡)を含むバルクシリカでのみ観測が報告されている現象であるため、堆積温度が600℃のTEOS-SiO_2膜内には酸素空孔が存在していることが判明した。 4.4eV発光は小さい平均時定数(〜3ns)をもっており、その減衰曲線は拡張指数関数によって表されることが判明した。このことは、発光の減衰時定数が幅広く分布していることを示している。一方、バルクシリカでは、4.4eV発光の減衰曲線が単一指数関数で表されることから、4.4eV発光の時定数の分布が、TEOS-SiO_2薄膜の構造の不均一性を反映したものであることを明らかにした。 2.TEOS-SiO_2薄膜の真性破壊電界と構造欠陥との関係を調べた。堆積温度は400℃を越えると真性破壊電界は減少した。一方、7.6eV吸収帯及び7.6eV光励起による4.4eV発光帯の詳細な観察から、400℃を超える温度で堆積された全てのSiO_2には、酸素空孔の存在が確認された。よって、酸素空孔と破壊電界との間に因果関係のあることが推定された。さらに、酸素雰囲気下での熱処理により、4.4eVの発光帯が小さくなることから、酸素空孔の減少が示唆され、それにともない、真性破壊電界は上昇した。これらの結果から、酸素空孔が真性破壊電界を低下させることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Ishii,D.Isshiki,Y.Ohki,H.Nishikawa,and M.Takiyama: "Role of Point Defects in Dielectric Breakdown of SiO_2 Formed by Plasma-Enhanced Chemical Vapor Deposition of Tetraethoxysilane" Jpn.J.Appl.Phys. 34. 205-211 (1995)
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[Publications] K.Ishii,D.Isshiki,Y.Ohki: "ROLE OF POINT DEFECTS IN DIELECTRIC BREAKDOWN OF SiO_2 FILMS DEPOSITED FROM TETRAETHOXYSILANE BY PLASMA CVD METHOD" 1994 International Joint Conference:26th Symposium on Electrical Insulating Moterial. 33-36 (1994)
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[Publications] 石井啓介、大木義路: "プラズマCVD法によるフッ素添加SiO_2薄膜の光学的特性" 第12回プラズマプロセシング研究会. 341-344 (1994)