1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06750344
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
入江 晃亘 宇都宮大学, 工学部, 助手 (90241843)
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Keywords | 固有ジョセフソン接合 / 層状構造 / シリーズアレー / 超格子 / _3端子デバイス / マイクロ波誘起ステップ |
Research Abstract |
本研究は、ジョセフソン接合が内在する(Bi,Pb)_2Sr_2CaCu_2O_y単結晶を用いた信頼性の高い超格子_3端子デバイスの開発を目的として,(i)同結晶の加工技術の確立,(ii)同結晶に内在する固有ジョセフソン接合の発現機構の解明,(iii)超格子_3端子デバイスの特性評価等を行った結果,以下の成果を得た。 (i)同結晶の加工技術の確立 同結晶は、_C軸方向に内在する多数のジョセクソン接合に起因して,ヒステリシスのある多数の枝構造をもつ電流・電圧特性を示すが,フォトエッチング技術により同結晶を加工することにより、臨界電流の揃った特性を得ることができた。 (ii)同結晶に内在する固有ジョセフソン接合の発現機構の解明 同結晶に内在する固有ジョセフソン接合の発現機構を解明するために,同結晶にマイクロ波を照射するとマイクロ波電力及び結晶寸法に依存するマイクロ波誘起ステップが観測された。特に,寸法的共振周波数と一致するマイクロ波を照射すると,印加マイクロ波と固有接合内の磁束量子の同期現象が生じ,明瞭なステップが観測された。これより,固有ジョセフソン接合は金属的CuO_2層間のジョセフソン結合によると考えられる。 (iii)超格子_3端子デバイスの特性評価 同結晶を(i)の技術を用いて,デバイス形状に加工し,超格子_3端子デバイスを試作した。試作した_3端子デバイスのゲート電極に-100V〜+100Vの電圧を印加した結果,60Kにおいて電界効果によると思われる約±5%の臨界電流,常伝導抵抗の変化が見られた。 以上,本研究で得られた成果は,(Bj,Pb)_2Sr_2CaCu_2O_y単結晶自身の電界効果形_3端子デバイスへの応用の可能性を示すものである。また、同結晶で得られたマイクロ波応答特性は新しい量子効果デバイスの足掛りとなりうるものであり,本分野の今後の進展が期待される。
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Research Products
(1 results)