1994 Fiscal Year Annual Research Report
宅造地における柱体改良地盤の安定性評価に関する研究
Project/Area Number |
06750534
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
末政 直晃 武蔵工業大学, 工学部, 講師 (80206383)
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Keywords | 地盤改良 / 受動杭 / 地盤反力計数 / 粘土 / アーチ効果 / 模型実験 / すり抜け破壊 / 宅造地 |
Research Abstract |
軟弱な宅造地における柱体改良の効果を評価するために,これを対象とした幾つかの模型実験と数値解析を実施した.その結果,以下に挙げる幾つかの知見が得られた. 1.地盤が流動するような場合に見られる受動杭の挙動は大きく2つに分けられ,極限状態では3次元的な受働破壊と水平面内に生じるすり抜け破壊を呈する. 2.受働破壊時の地盤反力は,主動杭によく用いられるChanの公式や港研方式が有効であると考えられるが,すり抜け破壊時の地盤反力に関する知見は少ないことが分かった. 3.すり抜け破壊を想定した模型実験では,地盤反力と地盤一杭との相対変位の関係は強い非線形を示すことが明らかとなった. 4.柱体の改良効果は,単位幅当たりの杭本数の増加に伴い,ほぼ線形的に増加することが示された.但し、相対変位量が増加するにつれて,杭一本当たりの地盤反力は増大することが確かめられた.これはアーチ効果に起因すると想定される. 5.改良体周りの地盤の変形状態をSTRAIN PATH METHODを用いて推定した.その結果,改良体前方の変形状態はほぼ解析結果と良い一致を示したが,背面の空隙等は表現できないことが確かめられた. 6.SPMの数値解析結果より,杭前方ではプレッシャーメーターに近い変形モードが、側方ではねじりせん断モードは卓越することが示された. 7.数値解析では,地盤流動時のアーチ効果を杭間中心線上の土のひずみ履歴によって検討した.これより,杭間隔比が4以下では中心線上の圧縮ひずみが急激に増加することが確かめられた.
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