1994 Fiscal Year Annual Research Report
高速繰返し載荷を受ける鋼構造ボルト接合架構の復元力特性に関する実験的研究
Project/Area Number |
06750611
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吹田 啓一郎 京都大学, 工学部, 助手 (70206374)
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Keywords | 鋼構造 / 筋違付きラーメン構造 / 高力ボルト摩擦接合 / ひずみ速度効果 / 載荷実験 / 復元力特性 |
Research Abstract |
本研究は,低層のブレース付ラーメン架構のように高力ボルト摩擦接合により結合された載荷速度の影響を受けやすい鋼構造架構が高速繰返し荷重を受けた場合に,接合部の力学的特性が速度効果に伴って変化することにより,架構の復元力特性やエネルギー消散能力が載荷速度の影響によりどの程度変化するかを実験的に検証したものである. 実験には,角形鋼管柱・梁部材と平鋼ブレース部材から構成させる鋼構造模型架構を製作し,載荷速度を一定に制御できる油圧サーボアクチュエータ(現有設備)を用いた載荷実験を行った.試験体は1層1スパンのブレース付き平面剛接架構とし,ブレース端部を高力ボルト摩擦接合により架構に接合するもので,ボルト接合部は架構の降伏以後,最大耐力に達する前にボルト接合部において滑りが生じるように設計した.静的載荷用試験体1体、動的載荷用試験体2体の計3体の試験体により実験を行った. 実験は,降伏変位の数倍程度の定変位振幅で,静的ならびに載荷速度をパラメータとした高速繰返載荷実験を行い,載荷荷重,架構の変形量,架構主要部材のひずみ量などを計測した.また,ボルト接合部のすべり量計測には,特に高精度,高速応答性が要求されるため,非接触型レーザー変位形を購入して用いた.このような実験から得たデータを基に,載荷速度が鋼部材の復元力特性やボルト滑り荷重に及ぼす影響を定量的に評価するとともに,ボルト滑りに伴う架構の復元力特性,履歴吸収エネルギーなどの変化と載荷速度との関連性について考案した.これらの結果から,高力ボルト摩擦接合部の挙動が架構の終局状態における挙動に及ぼす影響が大きい場合,架構の復元力特性は載荷速度の影響を受けやすく,速度の上昇に伴って履歴吸収エネルギーの低下を招きやすいことを明らかにした.
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