1994 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッド逆定式化による構造物-地盤不確定システムの性能最大化設計
Project/Area Number |
06750613
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹脇 出 京都大学, 工学部, 助手 (20155055)
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Keywords | 逆問題 / ハイブリッド逆問題 / 構造物-地盤連成系 / 剛性設計 / 信頼性設計 / 性能設計 / 設計用地震動 / 非比例減衰系 |
Research Abstract |
本研究の目的は、不確定性のレベルが高い地盤特性および設計用地震外乱レベルを確率量として扱い、建築構造物の設計用地震外乱に対する各種力学性能(構造物レベルおよび部材レベルにおける剛性、強度、エネルギー吸収能力)を、経済性とのトレードオフを通じて最大化するための確率論的設計法を開発することにある。本研究における成果は以下の通りである。 1.杭基礎-地盤系を有限要素システムを用いてモデル化し、1次固有周期・1次固有モードを指定した時の独自の「ハイブリッド型逆問題定式化」により、上部構造物(せん断型モデルおよび骨組モデル)の各部材剛性および対応する強度を求め、後述の設計システムの初期解として採用した。 2.設計用地震動のばらつきを応答スペクトルのばらつきにより表現し、その応答スペクトルと構造物の局所応答の関係をSRSS法、およびYangの手法により近似的に評価した。その応答評価式を基礎式として、応答スペクトルのばらつきおよび地盤特性(せん断弾性係数)のばらつきに起因する応答特性のばらつきを確率有限要素法的取り扱いにより求めた。それにより指定した超過確率レベルに対応する応答量評価式を構築した。 3.地盤特性(せん断弾性係数)のばらつきと応答特性のばらつきの間の関係をモンテカルロ法により求めておき、平均的な地盤剛性に対して指定する確定論的な応答量の指定値を厳しく設定することにより、地盤特性のばらつきに起因する応答のばらつきを考慮した簡易的な剛性設計法が構成できることを示した。10層および20層の上部構造物モデルについて本設計法を適用し、本設計法の有効性を例証した。
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[Publications] 竹脇出: "混合型逆定式化による曲げせん断型構造物-杭-地盤連成系の地震時目標層間変形に対する剛性設計" 第9回日本地震工学シンポジウム論文集. 2. 2071-2076 (1994)
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[Publications] 竹脇出: "指定剛性変動係数を有する地盤で支持されたせん断型構造物-杭系の指定地震時変形に対する剛性設計" 構造工学論文集. 41B(掲載予定). (1995)
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[Publications] Izuru Takewaki: "Hybrid Inverse Mode Problems for FEM-Shear Models" J.of Engineering Mechanics,ASCE. 121(8)(掲載予定). (1995)
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[Publications] 中村恒善: "せん断型地盤で支持されたせん断棒型構造物の指定地震時変形に対する剛性設計" 日本建築学会構造系論文集. 470(掲載予定). (1995)