1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06750692
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
熊田 伸弘 山梨大学, 工学部, 助手 (90161702)
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Keywords | ビスマス酸化物 / 低温水熱反応 / 混合原子価 |
Research Abstract |
NaBiO_3・nH_2Oを出発物質とした低温水熱反応により以下に示すような新しいビスマス酸化物を合成することができた。 (1)水酸化アルカリ溶液を用いることにより120〜140℃において新しい混合原子価ビスマス酸化物Bi_2O_4が得られ、160℃以上においては新しい混合原子価ビスマス酸化物Bi_4O_7が得られることがわかった。Bi_2O_4の結晶構造はβ-Sb_2O_4型構造をとることを粉末中性子線回折によって確かめ、その結果を学術論文誌に発表した。 (2)硝酸ランタン水溶液を用いた場合には新しい酸化物(La,Bi)OOHが得られたが、この化合物の結晶構造については単結晶X線回折によって決定し、その結果を学術論文誌に発表した。 (3)硝酸クロム水溶液を用いた場合には新しいビスマス酸化物HBi_3(CrO_4)_2O_3が得られ、その結晶構造については単結晶X線回折によって決定し、その結果を学術論文誌に発表した。 (4)水酸化リチウウム水溶液を用いて120℃の反応温度において、新しいビスマス酸化物LiBiO_3が得られた。この化合物の結晶構造はLiSbO_3のそれと類似していると考えられるが、詳細については現在解析中である。 (5)硝酸イットリウム水溶液を用いた場合には新しい酸化物YBi_2O_4NO_3が得られたが、この化合物の結晶構造については現在解析中である。 以上のように本研究によって数種類の新しいビスマス酸化物の合成に成功し、その結晶構造を解明して学術論文誌に発表した。現在も本研究は継続中であり、さらに研究成果を発表する予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] N.Kumada et.al: "Crystal Structure of A New Lanthanum-Bismuth Oxyhydroxide:La_<0.26>Bi_<0.74>OOH" Mater.Res.Bull.29. 497-503 (1994)
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[Publications] S.Kodialam et.al: "Crystal Structure of A New Hydrogen Bismuth Chromate HBi_3(CrO_4)_2O_3" European J.Solid State Chem.31. 739-746 (1994)
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[Publications] N.Kinomura and N.Kumada: "Preparation of New Mixed Valent Bismuth Oxides from Sodium Bismuth Oxide" Mater.Res.Bull.30. 129-134 (1995)
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[Publications] N.Kumada et.al: "Crystal Structure of Bi_2O_4 with the β-Sb_2O_4 Type Structure" J.Solid State Chem.(印刷中).