1994 Fiscal Year Annual Research Report
電気化学的手法による高機能薄膜作製におけるエピタキシ-制御手法の確立
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06750724
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
本間 敬之 早稲田大学, 理工学部, 講師 (80238823)
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Keywords | 機能薄膜 / 磁性材料 / 電気化学成膜法 / エピタキシ- / 複合膜形成 / 磁気記録 / 結晶配向制御 / Co合金薄膜 |
Research Abstract |
本研究は,電気化学的手法による機能薄膜作製において,特に“エピタキシ-"に着目し,これに影響を与える諸因子を明らかにすると共に,それらを利用したエピタキシ-制御手法を確立することを目的に研究を行った.その際,特に本手法独特の成膜因子を制御パラメータの中心とし,蒸着,スパッタ等の物理成膜法では不可能な,本成膜法ならではの高度な膜微細構造制御手法の確立を念頭に検討を進めた. まず申請者が従来より検討対象としてきた無電解析出法のよるCo合金薄膜を対象に検討を進めた.c軸が基板面に垂直に配向したhcp構造を有する無電解CoNiReP薄膜を同軸が面内配向した無電解CoP薄膜上に直接成膜したところ,通常のエピタキシ-効果によりCoNiReP上層は両内配向構造となり,またその磁気特性もCoP膜に類似のものとなった.両層間に数nm厚程度の中間層を付与したところ膜成長のエピタキシ-は断ち切れたが,同時に両層間の磁気的相互作用(交換結合)も断ち切られた.そこで,CoP下地表面に,無電解折出反応に対し高い触媒能を示すPdを付与したところ,その吸着量は0.5ML以下であるものの表面の優先析出(エピタキシャル成長)サイトに効果的にクラスタを形成する結果,磁気的相互作用を保ったままでエピタキシャル成長を抑制可能であることが明らかとなった.このような手法を用いて,従来は作製不可能であった垂直面内複合型磁気ディスクを得,その記録再生特性が極めて良好であることを明かとし,このようなエピタキシ-制御手法の有効性を確認した.さらに主々の因子の与える影響の詳細な解析の推進が可能な新浴系を開発すると同時に種々の電気化学的パラメータの影響を検討し,従来通説とされていた,金属イオンの錯状態の影響は必ずしも一義的なものでないことを明らかにした. 以上の検討より得られた結果を基に,次のステップとして,より高度な機能を発現する薄膜(多層膜,人工超格子膜等)材料創製への展開を目指す予定である.
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