1994 Fiscal Year Annual Research Report
クエット・テイラー渦を利用した連続乳化重合装置による単分散粒子の合成
Project/Area Number |
06750769
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
荻原 隆 福井大学, 工学部, 助手 (60214045)
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Keywords | 単分散粒子 / クエット・テイラー渦 / 乳化重合 / 金属アルコキシド / ゾル-グル法 / 酸化物 / コロイド |
Research Abstract |
本研究はアルコキシド法をベースとして,その加水分解反応場をクエット・テイラー渦流中で行い,種々の酸化物単分散粒子を合成した.試作した装置は,原料溶液槽,供給器,T字型混合器,共軸2重円筒製反応容器(クエット・テイラー渦流れ型乳化重合反応器)および回収容器からなる.共軸2重円筒製反応容器は中心軸を共有するガラス製外円筒とステンレス製内円筒で構成されており,その隙間に流体を満たし,内円筒を回転し外円筒を静止すると流体は内円筒の回転による粘性摩擦力に引きずられて層流の回転流を形成する.この流れをクエット・テイラー渦流れという.これに一定流量の軸流れを与え,押し出し流れの状態にすると,発生した個々の渦が互いに独立し,それらがバッチ反応槽の役割をすることになる. 本研究は,この装置を用いて種々の金属アルコキシドを加水分解し,アルミナ,チタニア,ジルコニア,シリカなどの単分散球状粒子の合成に成功した.その結果,バッチ反応槽で得られるものと同じ品質の単分散粒子が得られた.原料濃度,滞留時間,混合速度,テイラー数および隙間距離により生成粒子の粒径および粒度分布は影響を受けた.これらの因子に対して,粒径を0.1〜1.0μmの範囲で粒径制御することが可能であった.また,テイラー数に対する単分散粒子の最適生成範囲は,隙間距離に関係なく50〜200であった.さらに,粒径および粒度分布は内外円筒比に依存しないことが見い出され,本装置がスケールアップに対して有効であることが明らかとなった.また,この装置を用いて,単分散シリカ粒子を5時間連続合成した結果,再現性良く単分散粒子を得ることができ,反応装置としての信頼性が確認された.
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