1994 Fiscal Year Annual Research Report
新規な分離用カラム充填剤・アルギン酸-キトサン混成ミクロビーズの調製と利用
Project/Area Number |
06750815
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
後藤 猛 秋田大学, 鉱山学部, 講師 (10215494)
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Keywords | アルギン酸 / キトサン |
Research Abstract |
アルギン酸は金属イオンに対して強い親和性を持ち,多価金属イオン,特に遷移金属イオンと結合してゲル化する性質を有する。一方,キトサンも遷移金属イオンに対して強い親和性を示すが,活性な一級アミノ基を有するために多様な化学修飾も可能である。本研究では,アルギン酸-キトサン混成ゲルビーズを作成し,新しい分離用基材としての可能性を検討した。 アルギン酸はアニオン性高分子電解質であり,キトサンはカチオン性高分子電解質であるため,両者の混合は不均一なゲル化を生じる。そこで,アルギン酸溶液とキトサン溶液の濃度および混合比,pH,添加塩濃度.さらにキトサンの脱アセチル化度を変化させ,混合によってゲル化しない条件を調べた。これにより得られた均一なアルギン酸-キトサン混合溶液(それぞれ0.75w/v%)を窒素ガスを吹き付けながら2%CuCl_2溶液に滴下し,さらに24時間浸漬してゲルビーズを調製した。これをグルタルアルデヒドで処理し,キトサンのアミノ基間を架橋してアルギン酸-キトサン混成ビーズを調製した。 混成ビーズを塩酸で処理してH型とした後,CuCl_2,NiCl_2,CoCl_2,CdCl_2の各溶液および混合溶液を用いて平衡収着実験を行ったところ,これらの金属は混成ビーズに対してLangmuir型の収着挙動を示し,ビーズはCu^<2+>に対して選択性を有することが分かった。これは,ビーズがCu^<2+>存在下で架橋化処理されることによりビーズ内にCu^<2+>に特異的な収着部位が形成されたことを示唆しており,ゲル化に用いる金属イオンに応じて多様な選択性を有する金属収着基材が調製出来る可能性が明らかになった。 現在,生体化合物の分離精製へのアルギン酸-キトサン混成ビーズの応用を目指して,金属キレート化基材およびゲルろ過基材としての特性を検討中である。
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