1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06750908
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
橋本 保 福井大学, 工学部, 助教授 (00198681)
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Keywords | ポリ(オキシテトラメチレン) / エラストマー / 液晶 / 水素結合 / リサイクル材料 / カチオン重合 / 開環重合 / リビングポリマー |
Research Abstract |
効率のよいリサイクルが可能な液晶エラストマーを開発するため,両末端に安息香酸単位を有するポリ(オキシテトラメチレン)(1)を合成し,このポリマーと4,4´-ビピリジンとの鎖延長反応により水素結合型液晶単位を主鎖中に含む新規高分子(2)を合成して,その熱的性質を明らかにした。 1.両末端に安息香酸単位を有するポリ(オキシテトラメチレン)(1)の合成:テトラヒドロフランの開環カチオン重合を0℃で行い,生成するリビングポリマーとp-ヒドロキシ安息香酸メチルのNa塩をテトラヒドロフラン中反応させ,次いで末端エステルを加水分解することにより,ポリマー1を合成する反応条件を確立した。生成ポリマー1の分子量は重合時間によって調節でき,分子量分布は単分散に近いことがわかった。 2.水素結合型液晶単位を主鎖中に含むポリ(オキシテトラメチレン)(2)の合成:得られたポリマー1と等モルの4,4´-ビピリジンをテトラヒドロフラン中混合し,テフロンモ-ルド上で常圧において溶媒をゆっくりと蒸発させ,ポリマー2を合成する方法を検討した。 3.ポリマー2の熱的性質:ポリマー2のポリ(オキシテトラメチレン)鎖の融点はプレポリマー1よりも低く,結晶化度も低いことがわかった。これよりポリマー2の主鎖中の水素結合型液晶単位の存在が影響していることが示唆された。 4.ポリマー2のモデルポリマーの合成:熱的性質をポリマー2と比較検討するため,主鎖にビピリジニウムイオン単位を含むモデルポリマーを合成するためのプレポリマーであるアルデヒド末端テレケリックポリ(ビニルエーテル)の合成を行った。
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