1994 Fiscal Year Annual Research Report
高分子膜の構造制御と有機液体混合物の透過分離に関する基礎的研究
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06750933
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
宮田 隆志 関西大学, 工学部, 助手 (50239414)
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Keywords | 高分子膜 / 浸透気化法 / 気化浸透法 / 透過分離特性 / エタノール水溶液 / 膜構造 / ミクロ相分離構造 / キトサン誘導体 |
Research Abstract |
天然高分子から成るキトサン膜,さらにそれをアルキル化することによってキトサン誘導体膜を調製し,浸透気化法および気化浸透法によりエタノール水溶液の透過分離を行った。その結果,その透過分離特性はアルキル化の種類や置換度によって著しく影響され,エタノール水溶液の透過分離に対して最適なキトサン誘導体膜が得られた。また,種々の方法によって膜の物理的および化学的構造を調べ,それが透過分離特性と密接に関係することを明らかにすることができた。 ジメチルシロキサンを一成分とするグラフト共重合体膜やブレンド膜を調製し,ミクロ相分離構造とエタノール水溶液の透過選択性との関係について検討した。グラフト共重合体膜やブレンド膜は明確なミクロ相分離構造を有しており,組成や成膜法によってその形態を制御できることがわかった。また,それらの膜のミクロ相分離構造の分散状態や形状が,画像処理によりフラクタルやパーコレーションの概念に基づいて定量的に評価することができた。さらに,ミクロ相分離構造の形態がエタノール水溶液の透過性と分離性を大きく左右することが,実験的および理論的に明らかとなった。 以上のように,本研究では膜構造とエタノール水溶液の透過分離特性との関係について基礎的知見を得ることができた。今後,これらの結果を基にしてマクロおよびミクロなレベルでの膜構造を設計,構築することによって新規なエタノール水溶液分離用高分子膜の調製が可能になると期待される。
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