1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06760002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
犬飼 剛 北海道大学, 農学部, 助手 (90223239)
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Keywords | イネいもち病抵抗性 / 真性抵抗性遺伝子 / 圃場抵抗性遺伝子 / 準同質遺伝子系統 |
Research Abstract |
イネいもち病に対して安定した抵抗性を示すことで知られている西アフリカのジャポニカ品種Moroberekanのいもち病抵抗性の遺伝機構を解明するため、Moroberekan中に複数存在する抵抗性遺伝子に関する準同質遺伝子系統を作成し、抵抗性遺伝子の同定を行うことを目的に実験を行っている。現在までの実施結果は以下の通りである。 高度羅病性インディカ品種CO39とMoroberekanとの組合せより育成された組換近交系の中から、Moroberekan由来の真性抵抗性遺伝子もしくは圃場抵抗性遺伝子をもつと推定され、なおかつ遺伝的背景がCO39に近似した系統を選抜した。次に選抜した系統中の抵抗性遺伝子の遺伝分析を行うため、CO39との交配を行いF_2-F_3を養成した。F_2世代では、後の選抜のために出穂期、稈長等の調査を行うとともに、目的とする抵抗性遺伝子に連鎖すると推定されるRFLPマーカーの分離を調べた。現在F_3世代で抵抗性遺伝子の分離を調査中である。これらの結果より、複数存在する抵抗性遺伝子のいずれを選抜系統がもつか明らかにするとともに、遺伝子分析用に養成したF_3系統の中から、形態選抜及びmarker-assisted selectionにより、各抵抗性遺伝子に関する準同質遺伝子系統を選抜する。これらの準同質遺伝子系統のうち、真性抵抗性遺伝子に関するものについてはいもち病菌レース判別用の品種として今後利用していく。圃場抵抗性遺伝子に関するものについては、遺伝子座のfine mappingのための材料として用いる予定である。 目的とする真性抵抗性遺伝子の既知の遺伝子との対応関係については、選抜系統の菌系に対する反応パターン及びRFLP分析結果から、Pi-5(t)はPi-3、Pi-7(t)はPi-1、と類似の遺伝子であることが示唆された。これらの遺伝子間の対立性についても現在分析中である。
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