1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06760006
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中崎 鉄也 京都大学, 農学部, 助手 (60217693)
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Keywords | マイクロサテライト / コムギ / DNAデータベース / 品種間多型 |
Research Abstract |
1.DNAデータベース(DDBJ)に登録されている植物に関する既知の塩基配列情報から2〜4塩基を反復単位とするマイクロサテライト(18〜20bp)を含む座を抽出・整理した結果,369個の座が抽出できた.2および3塩基を反復単位とする場合には,GCを単位とするものを除き,可能な全て組合せのマイクロサテライトが抽出されたが,その頻度にはばらつきがあり,最も多かったのはATを反復単位とするものであった(30%).また,これらの配列は遺伝子のエクソン,イントロン等の各部位で認められたが,転写領域では,ATおよびAAT/TTAを単位とするものは3'端付近に,TC/AGおよびTTC/AAGを単位とするものは5'端付近に多い等の特徴のあることが明らかになった.コムギに関して抽出できた座は6種類であり,イネ31,Arabidopsis 45に比べ少なかったが,これは,登録塩基配列数の差によると考えられる.2.DNAデータベースからの抽出結果からマイクロサテライトが遺伝子の上流域,mRNA3'末端領域およびmRNA5'末端領域それぞれに分布するコムギの塩基配列を選び,マイクロサテライトの周辺域の配列を基にプライマーを設計・作成して,コムギ9品種の全DNAをテンプレートとするPCRを行い,増幅産物の多型性の有無を調査した.その結果,プライマーによっては,コムギ品種間で多様な多型性の認められることが明らかとなり,マイクロサテライト多型の有用性が確認された.また,オオムギ品種間でも多型性が認められる場合があり,コムギの塩基配列情報から設計されたプライマーが他のムギ類ゲノムにも適用可能な場合のあることが示唆された.一方,塩基配列の解析から明らかにマイクロサテライト領域が増幅されているにもかかわらず多型性の認められない場合があり,マイクロサテライトの遺伝子内の存在部位の違いによる多型性程度の差異についてさらに検討することが必要であると考えられた.3.マイクロサテライトの染色体上での分布を明らかにするためには,in situ PCR法よりもPRINS法の方が有効ではないかと考えられた.
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Research Products
(1 results)