1994 Fiscal Year Annual Research Report
Bacillus brevisを用いたヒト・カルシトニンの分泌生産
Project/Area Number |
06760081
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
加藤 雅士 名古屋大学, 農学部, 助手 (70242849)
|
Keywords | カルシトニン / ペプチドホルモン / ペプチド合成 / カルシウム代謝 / Bacillus brevis / 蛋白質生産系 / シグナルペプチド / 宿主ベクター系 |
Research Abstract |
カルシトニンは体内のカルシウム代謝を調節しているペプチドホルモンである。現在、医薬として用いられるカルシトニンの大部分はヒト、ブタ、サケ、およびウナギから抽出されたり、化学的に合成されたりしている。生産コストが高いうえに、反応副産物の混入などの問題点が残されていた。申請者のグループでは、蛋白質高度生産菌、Bacillus brevisを用いた異種蛋白質分泌生産系が確立されている。高い分泌能を有し、菌体外プロテアーゼ活性の低いBasillus brevisを用いればカルシトニンの分泌生産が可能であると考えた。本研究はカルシトニンの効率の良い生産系の確立をめざし、研究に着手した。本研究で申請者らは合成DNAを連合することにより、カルシトニン遺伝子を作成した。カルシトニンの高効率分泌生産を達成するために、以下の研究を遂行した。(1)この合成遺伝子をBasillus brevisの分泌発現ベクターに組み込むことにより、カルシトニンにBacillus brevisの細胞壁蛋白質のシグナルペプチドを付加する。こうしてできた分泌プラスミドをBacillus brevisに導入し、カルシトニンを発現・分泌させた。ウエスタンブロッティングによる解析の結果、培養上清にカルシトニンのある程度の蓄積が観察された。(2)シグナルペプチド配列の最適化、分泌プラスミドの改良、宿主の育種、培養条件については十分な検討を行うことができなかった。(3)培養上清からの前駆体ペプチドの精製および得られたペプチドに酵素の作用によるカルボキシ未端のアミド化反応についても時間の都合上検討を行うことができなかった。
|