1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06760178
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
岩槻 幸雄 宮崎大学, 農学部, 助教授 (60213302)
|
Keywords | フエダイ科魚類 / 生活史 / 資源管理 / ヨコスジフエダイ / 産卵期 / GSI / 生物学的最小型 |
Research Abstract |
福岡県中央魚市場を中心して1993年4月から1995年3月まで、1〜2ヶ月に1回の割合で計17回のヨコスジフエダイの買い上げ調査を行い、採集地点をできるだけ正確に調べた。サンプルは体長および体重を測定したのち、生殖巣を取り出してその重量を測定しGSIを求めた。また、全ての個体について漁獲された海域を特定した。サンプル数は合計401個体で、そのうち195個体が雄、190個体が雌でほぼ同数であった。GSIは雄雌ともに5月頃から次第に高くなり、6月後半から8月初旬に最も高くなったのち、9月には急激に減少した。組織学的観察においては、鞭毛を持った完全な精子が6月、7月および8月、吸水卵が7月および8月のサンプルにおいてそれぞれ観察された。精子および吸水卵が観察された個体で、最も高いGSIは雄が50.5、雌が37.7であり、最も低いGSIは雄が19.3、雌が28.4であった。また、精子および吸水卵が観察された最も小さい個体のサイズは、雄が体長216mm、体重292g、雌が体長216mm、体重303gであった。以上の点と従来から行ってきたフエダイとクロホシフエダイの結果から考慮するとヨコスジフエダイは福岡、佐賀、長崎および熊本の各県で多く水揚げされており、これらの県の近海で産卵を行っていると考えられた。しかし、7月には前者2種は、7月になるとGSIは急激に減少していたが、ヨコスジフエダイは6月後半から8月前半に産卵しており、産卵.ピークは少し遅れていることが判明した。さらにヨコスジフエダイでは、体長20cm位でも産卵している可能性が高く、前者2種では体長30cm以上が生物学的最小型と考えられたので、ヨコスジフエダイの生物学的最小型は小さいと考えられた。また、確認できた産卵親魚の捕獲場所は玄界灘の小呂島周辺の水深50〜60mの海域であったことから、他の2種が水深20-30m位と推定したが、本種はそれより少し深いところで産卵している可能性が高いと考えられた。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] M.Endo,K.Uehara and Y.Iwatsuki: "Body anomalies dae to spinal carvature in two species of snappers Lutjanus stellatus and L.russelli from the coasloff Miyazaki,southe Ja" Japn.J.Ichthyol.41. 76-79 (1994)
-
[Publications] Y.Iwatsuki and S.Kimura: "Timer snapper,Lutjanus timorensis(Quoy et Gaimard),collected from Japanese waters" Japn.J.Ichthyol.40. 457-477 (1994)
-
[Publications] K.Yokoyama,Y.Kamei,M.Toda,K.Hirano and Y.Iwatsuki: "Reproductive behavior,eggs and Laruae of a caesiame fish,Pferocaesio digramma,obserued in an Aguariam." Japn.J.Ichthyol.41. 261-274 (1994)