1994 Fiscal Year Annual Research Report
PCR法を用いたブロイラーのカンピロバクター汚染源の検討
Project/Area Number |
06760284
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
中馬 猛久 鹿児島大学, 農学部, 助手 (90201631)
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Keywords | カンピロバクター / ブロイラー / PCR |
Research Abstract |
Campylobacter jejuni/coliはヒトの急性下痢症の原因の一つであり、本菌による食中毒の発生が多くみられていることから公衆衛生学上重要視されている。鶏からはC. jejuni/coliが高率に検出されており、鶏肉がヒトへの感染に関与していることが示唆されているが、ブロイラーの生産段階におけるC. jejuni/coli感染源や伝播様式はよくわかっていない。これは従来の培養によるC. jejuni/coli検出法の煩雑さや感度の限界に起因するものと考えられる。一方、近年、PCR法による遺伝子を用いた細菌の迅速検査法が注目されている。PCR法は検出感度が高く簡便で多検体処理が可能な方法とされているので、この方法がC. jejuniの検出に適用できるか否かについて基礎実験を行った。PCR法に用いるプライマーは、すでに報告されているC. jejuniの鞭毛物質Flagellin Aをコードする遺伝子の塩基配列を参考にしてデザインし、C. jejuni subsp. jejuni ATCC33560(標準菌株)より抽出したDNAを試料としてPCRを行ったところ、PCR産物は塩基配列から予想される長さ(458bp)と一致し、その検出限界は1.0X10^2CFU/mlであった。ブロイラーの糞便中に混入したC. jejuniのDNA抽出法を検討しPCRを実施すると、その検出限界は3.4X10^4CFU/mlであった。さらにサザンブロット法を適用すると、このPCR産物がC. jejuniに由来することが明らかになり、検出限界が3.4X10^2CFU/mlに上昇した。以上の結果をふまえて、実験室内で飼育した0日齢、7日齢、14日齢、21日齢のブロイラーのC. jejuni保菌率を調査した。PCR法では全日齢で陰性であったが、サザンブロット法ではそれぞれ20%、17%、83%、33%が陽性であった。この成績から従来の培養法では陰性とされてきた若齢の雛でもC. jejuniに汚染されている可能性が示された。今後は、PCR法の感度をさらに上昇させ、ブロイラーの本菌による汚染経路を詳細に検討していく必要があると考えられた。
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