1994 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス反応媒介機序としての脳オピオイド-CRF系による免疫系制御
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06770055
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
武 幸子 九州大学, 医学部, 助手 (80253425)
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Keywords | IFN-α / CRF / 内側視索前野 / 視床下部室傍核 / ナチュラルキラー細胞活性 / 脾臓交感神経 / スライスパッチ法 / NMDA応答電流 |
Research Abstract |
研究目的 ストレス・免疫系修飾に関与する脳内部位同定と、神経細胞レベルでの現象解析により、脳・免疫系連関調節機構の全体像にせまことを目的とする。研究成果 本年度は下記のような成果を得た。 I.ストレス・免疫系修飾の媒介機序としての脳IFN-α-オピオイド-CRF系の脳内責任部位の決定 各種のストレス時に脳内で産生され、オピオイド受容体に作用することが知られているIFN-α(50-100U)を脳内各所(視床下部内側視索前野(MPO)、外側視索前野、外側核、腹内側核、室傍核(PVN);前頭葉皮質、視床)に微量注入して、30分後に脾臓ナチュラルキラー(NK)細胞活性を測定した。MPO内注入でのみ、NK活性の抑制が認められた。CRF微量注入では、NK活性はMPO内注入では変化せず、PVN内注入で抑制された。脳による脾臓NK活性制御の重要な伝達路である脾臓交感神経の活動は、グルタミン酸(GLU)注入では、MPOで抑制、PVNで増強されたが、IFN-αのMPO内注入、CRFのPVN内注入ではいずれも増強した。従って、脳・免疫系連関におけるMPO及びPVNの重要な役割が示唆された。 II.視床下部内側視索前野の興奮性シナプス伝達に対するIFN-αの作用解析 I.で明らかにしたIFNαの作用部位であるMPO内における、IFNαの神経細胞に対する作用の一つとして、GLUおよびNMDA惹起内向き電流に対する作用を、MPOのスライス標本を用いたパッチクランプ法により解析した。その結果、GLU及びNMDAにより惹起される電流は、著明にかつ1時間以上に渡って抑制された。従って、IFNαがMPO内GLUにより引き起こされる脾臓交感神経活動抑制を抑制することで、脾臓交感神経活動を亢進させNK活性を抑制するという機序が推測された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Take,S.,et al..: "Interferon-α acts at the preoptic hypothalamus to reduce natural killer cytotoxicity in rats." American Journal of Physiology. (印刷中). (1995)
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[Publications] Katafuchi,T.: "The biphasic changes in splenic natural killer cell activity following ventromedial hypothalamic lesions in rats." Brain Research. 652. 164-168 (1994)
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[Publications] 武 幸子、堀 哲郎: "脳は免疫系を修飾する「脳と免疫」" 共立出版(堀 哲郎編)(印刷中), (1995)
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[Publications] 武 幸子、堀 哲郎: "一般免疫機能測定「自律神経機能検査法」第二版" 文光堂(日本自律神経学会編)(印刷中), (1995)