1994 Fiscal Year Annual Research Report
子宮体癌における癌転移抑制遺伝子nm23の発現と転移との相関について
Project/Area Number |
06770134
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
渡辺 純 北里大学, 医学部, 助手 (10201188)
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Keywords | 子宮体癌 / 癌転移抑制遺伝子 / nm23 / 転移 / 組織分化度 / AMeX固定 / 免疫染色 / ウエスタンブロッティング |
Research Abstract |
当施設で得られた子宮体癌手術材料28例をAMeX固定パラフィン包埋ブロックとし、nm23H1とnm23H2のそれぞれのモノクローナル抗体を用いて、免疫染色にて発現の局在と発現強度を、Western blottingにて発現量を定量し、転移など臨床病理学的因子との相関を検討した。 nm23H1とnm23H2の免疫染色の結果 (1)子宮癌細胞の細胞質に一様に発現し、子宮内膜間質および子宮筋層には発現しなかった。 (2)nm23H1,nm23H2ともに、高分化癌では中分化癌に比べ有意に発現が強く(P<0.05)、低分化癌では発現の強いものと弱いものと2種類存在した。 (3)転移、腫瘍径、子宮筋層浸潤、エストロゲンレセプターとプロゲステロンレセプターの発現、閉経の有無との相関はなかった。 2.nm23H1とnm23H2のWestern blottingの結果 (1)免疫染色の結果と同様に、nm23H1,nm23H2ともに、高分化癌では中分化癌に比べ有意に発現量が多く(P<0.05)、低分化癌では発現量の多いものと少ないものと2種類存在した。転移、腫瘍径、子宮筋層浸潤、エストロゲンレセプターとプロゲステロンレセプターの発現、閉経の有無との相関はなかった。 (2)同一症例での発現を免疫染色の結果と比較したところ、評価の一致したものはそれぞれ69%、66%であり、不一致例では免疫染色の方が強く評価する傾向にあった。
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