1994 Fiscal Year Annual Research Report
フローサイトメトリを用いたコレラ菌の培養細胞への付着性状に関する研究
Project/Area Number |
06770207
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
田口 晴彦 杏林大学, 医学部, 助手 (20146541)
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Keywords | vibrio cholerae / Cultured human epithelial cells / Intestin 407 / Flow cytometric analysis / Adhesion / Hemagglutinating activity |
Research Abstract |
コレラの発症機序は、経口摂取されたコレラ菌が小腸粘膜に定着して増殖し、外毒素であるコレラ毒素を産生してコレラ特有のsevere diarrheaを惹起することが基盤となる。感染の第一段階である定着は、コレラ菌と類似した発症機序を有する大腸菌などでは、定着因子や培養細胞への付着性が明らかにされているが、コレラ菌の場合いまだに明らかにされていない。そこで、コレラ菌の培養ヒト小腸上皮細胞への付着性状をFlow cytometric analysisを用い定量化することを目的として研究を行った。また、これまでコレラ菌の定着因子として研究対象となってきたヘマアグルチニンとコレラ菌の小腸上皮細胞への付着性状との関連性についても検討した。 その結果、コレラ菌の培養ヒト小腸上皮細胞Intestine407への付着陽性細胞率は、80%以上となる菌株、20〜80%となる菌株、そして20%以下となる菌株の3種類のパターンに分けることができた。これらの結果は、コレラ菌の培養細胞への付着性が大きくslightly adhesive群、moderately adhesive群、highly adhesive群、に分かれることを示唆しているものと考えられた。一方、コレラ菌のモルモット赤血球凝集活性はFlow cytometric analysisにより明らかにしたコレラ菌の小腸上皮細胞への付着性状と強い相関を示した。しかしながら、コレラ菌のモルモット赤血球凝集活性を抑制する糖類ではコレラ菌の小腸上皮細胞への付着を抑制することができなかった。したがって、コレラ菌の培養細胞への付着はヘマグルチニン以外にも付着因子が関わっていることが示唆された。
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Research Products
(1 results)