1994 Fiscal Year Annual Research Report
両親の職業性暴露と小児主要疾患との関連についてのレコード・リンケージ研究
Project/Area Number |
06770255
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小松 正子 東北大学, 医学部, 助手 (30186796)
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Keywords | 父親 / 職業 / 小児 / 先天異常 / 先天性心疾患 / スウェーデン / 登録 / 発生毒性 |
Research Abstract |
最近研究が進めらている父親の職業性暴露による発生毒性(developmental toxicity)のうち、子の先天性心疾患およびいくつかの先天異常について、北欧で整備されている健康管理登録データを用いたレコード・リンケージ研究により検討する。【方法】資料にはスウェーデンの国勢調査および母子医療記録登録(The Medical Birth Registry:MBR)を用いた。1985年の国勢調査の父親職業データと1985-86年のMBRデータを国民番号によりリンケージした。先天異常のうち比較的症例数の多い、先天性心疾患、循環系のその他の先天異常(動脈管開存など)、顔面裂(口蓋・唇裂)、合・多指(趾)および副耳について分析した。【結果】有意な相対危険度を示しかつ症例期待値が5以上であった職業を記す。先天性心疾患では塗装工および製紙業、顔面裂では農林園芸業、郵便業および塗装工、多指(趾)では自動車運転手であり、循環系のその他の先天異常(症例数n=348)、合指(趾)(n=201)および副耳(n=370)では該当がなかった。【考察】今回用いたMBRによる先天性心疾患のデータについては先天異常登録などに比し信頼性が低いとされているので、今後、先天異常登録、先天性心疾患登録等の診断精度の高い登録を用いた同様の分析が行われることが望まれる。その他の顔面列などは体表奇形であるので、MBRデータも比較的信頼できると思われる。先天性心疾患と塗装工、顔面裂と林業および塗装工の関連はこれまでの他の症例対照研究などと一致する結果である。
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