1994 Fiscal Year Annual Research Report
在宅ケアを行う要介護老人の健康状態維持増進に関連する要因の分析
Project/Area Number |
06770300
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
石崎 達郎 帝京大学, 医学部, 助手 (30246045)
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Keywords | 在宅ケア / 要介護老人 / 老人保健施設 / 家庭介護力 / long-term care |
Research Abstract |
今年度の研究では主に、同一の老人保健施設を複数回利用した者の、日常生活動作能力の変化と、利用者の家族の家庭介護力を調査した。対象:神奈川県川崎市にある帝京大学老人保健センター(定員156人)において、平成5年4月から8月の間に入所していた利用者(ショートステイを除く92名)とその家族(主たる介護者)を調査対象とした。まず、利用者の家族に自記式のアンケート用紙を渡し、後日施設内で回収した。次に、入所記録より利用者の利用状況を調べた。結果と考察:1)利用者の特徴:利用者は女性が73.1%、平均年齢は81.8(±6.2)歳であった。ADLレベル(Barthel index)の平均得点は入所時/退所時それぞれ、初回(92名)が62.1点(±30.1)/65.0点(±30.8)、2回目(72名)65.4(±31.9)/65.4(±33.1)、3回目(43名)58.3(±33.8)/55.7(±34.9)、4回目(13名)59.0(±29.6)/64.9(±30.1)と、複数回利用者は、退所後にADLが低下した状態で再入所し、入所によって一旦ADLは改善するが、家庭に戻るとまた下がってしまい、全体的には漸減傾向にあった。2)家庭介護力:主要介護者は68.9%が女性で、平均年齢54.8歳(±12.0)、平均世帯人員数3.8人(±1.7)であった。居住環境は65.6%が集合住宅に住み、平均部屋数は4.2部屋(±1.7)であった。SS平均得点は15.8点(±3.5)であった。家計状態は、49.4%が家計に「ゆとりがある」と答え、また48.3%が「家計に満足している」と答えていた。利用者-介護者間の人間関係は93.2%が仲がよいと答え、77.5%が「介護に負担を感じている」と答えていた。今回の調査では、4回以上の複数利用者が少なかったため、介護力との関連性を検討することができなかった。
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