1994 Fiscal Year Annual Research Report
ミクロLC/MSを用いた体組織中微量極性物質の検出および同定と法医実務への応用
Project/Area Number |
06770331
|
Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
稗田 洋子 福岡大学, 医学部, 助手 (00181058)
|
Keywords | テオフイリン / カフェイン / LC / MS / キャピラリーカラム / スクリーニング / 血清 / 尿 / 固相抽出 |
Research Abstract |
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)・質量分析計(MS)(LC/MS)を用いたヒト血液および尿中の薬毒物スクリーニング分析法を確立する為の試料精製法、分析方法の検討を行った。MSのイオン化はfast atom bombardment(FAB)法により行い、LCとMS間のインターフェースは、内径55μmのキャピラリーチューブとfritを用いた。MSへの試料導入量は最大5μl/minである為、通常のLCシステムでは注入試料をスプリットしてMSへ導入しなければならない。そこでLCからの試料を無駄なく効率よく導入するために、LCのカラムには内径0.3mmのキャピラリーカラムを用い、さらに濃縮カラムとカラムスイッチングバルブを装着することにより、大量のサンプルの注入をスプリットすることなくMSへ導入することが出来るミクロLCシステムを開発した。このミクロLC/MSシステムにより、従来のLC/MSに比較して格段の高感度分析が可能となった。移動相の組成は、幅広い極性の物質を検出させる為にメタノール勾配によるグラディエント溶離が適していることが判明した。試料の精製は、液-液抽出と固相抽出数種を検討した結果、Extrelutを用いた固相抽出が最も簡便で効率よく薬毒物を回収できることが判明した。これらの抽出および分析条件でどのような物質が実際に検出されるか、ヒト血液および尿を用いて分析を行った。その結果カフェインやテオフィリン等のキサンチン化合物、および脂溶性生体成分等はほとんど全ての試料から本条件で検出されることが明らかになった。キサンチン化合物については7-エチルテオフィリン(合成キサンチン化合物)を内部標準物質(IS)とする定量法が確立できた。その他、向精神薬や睡眠薬等多くの物質が本条件で検出されることが明らかになり、これらをデータベース化することにより、今まで不可能とされてきたLC/MSによる薬毒物スクリーニング分析が確実に実現化できることが明らかになった。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] Yoko Hieda: "Highly sensitive and rapid determination of theophyline, theobromine and caffeine in human plasma and urine by gradient capillary high-performance liquid chromatography-frit-fast atom bombardment mass spectrometry" Journal of ChromatographyB : Biomedical Applications. (in press). (1995)