1994 Fiscal Year Annual Research Report
微分表示法による肝癌発癌に関与する癌関連遺伝子の検索
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06770366
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
花房 直志 岡山大学, アイソトープ総合センター, 助手 (00228511)
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Keywords | 微分表示法 / 肝癌 / HBV / 癌関連遺伝子 / HuH-7 |
Research Abstract |
この研究は微分表示法(Differential Display)によって肝癌の発症に関与する癌関連遺伝子を検索することを主な目的としている。特に発癌との関連からB型肝炎ウイルス(HBV)の感染により発現に変化を引き起こす遺伝子に強い興味を持ち研究を行った。(1)培養細胞を用いた実験:HuH-7にHBVゲノムをトランスフェクションし、微分表示法でHBV遺伝子の発現の有無による変化を検討した。数回の実験の結果、再現性を持って検出されたバンドの出現と消失を観察した。それぞれ数個ずつクローニングし、塩基配列の決定を行ったが、HBV関連遺伝子の他は非特異的なバンドであると予想された。一過性のトランスフェクションにおいてもHBV遺伝子の発現を検出できたことから微分表示法の有用性が示唆された。X遺伝子の発癌への関与が強く示唆されていることから、HBVのX遺伝子のみを発現する細胞株(I)と、X遺伝子以外を発現する細胞株(II)を作成し、微分表示法での検討を試みた。(II)の細胞株の作成は成功したが、(I)の細胞株の作成には、いまだ成功せず現在も継続して実験を行っている。(I)の細胞株については、コロニーの生育が異常に遅く、途中で死滅することから、X遺伝子の発現による生育阻害作用が予想された。(2)肝癌組織を用いた実験:手術的に単離された肝癌組織と、その非癌部を用いて、微分表示法により検討を行った。肝癌組織由来のRNAの分解の程度の差異によるためか、なかなか再現性を持ったバンドの出現と消失が観察されなかったが、Rb類似タンパク質p130に相同性を持つ未知遺伝子や、その他数種の未知遺伝子に変化が観察されている(第31回日本肝臓学会総会発表予定)。今後さらにHBV、HCVの感染の有無に分類し、例数を重ね検討を行う予定である。
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