1994 Fiscal Year Annual Research Report
気管支・肺組織での好酸球浸潤及びICAM-1発現に対する神経ペプチド類の関与
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06770439
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
入江 正洋 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助手 (00248593)
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Keywords | 気管支喘息 / 好酸球 / 細胞接着分子 / ICAM-1 / ストレス / 前視床下野 / 神経ペプチド |
Research Abstract |
EIDELMANらの方法に準じて、4〜6週齢SPF・BNラットに対して卵白アルブミン(OA)による感作を行い、BNラットの喘息モデルを作成した。そして、感作の前日からover night(16時間)で金網拘束を加える群(A群)と、感作後吸入暴露開始までの間に1日おきに3時間の金網拘束を繰り返す群(B群)、3日目の吸入暴露の前日からover night(16時間)で金網拘束を加える群(C群)の3通りの異なる時期のストレス負荷を行い、急性あるいは断続的ストレスの違いやそれが加わる時期の違いによって遅延型喘息反応(LAR)がどのように異なるかを検討した。さらに、吸入暴露の1週間前に迷走神経の緊張に関係するとされている前視床下野を電気刺激によって破壊する群(D群)と、電気刺激は加えない偽破壊群(E群)に関してもLARの相違を検討した。なお、対象群は、感作と吸入暴露を行う群(F群)と、感作のみを行う群(G群)とした。G群以外は全て感作後2週間目から3日間連続してOAの吸入暴露を実施し、3回目の吸入暴露約6時間後に採血した後、BALによって気道内への好酸球浸潤を調べるとともに、気管支・肺組織を摘出して組織学的な好酸球浸潤やICAM-1の発現状態を観察した。 その結果、抗原誘発によってG群以外でBALF中や組織中の好酸球の増加が認められたが、他の群に比べてB群とD群の増加の割合が低下していた。A〜C群の中ではB群が最も血中のコルチコステロンが高値でありそれによるLARの抑制が考えられたが、D群とE群ではコルチコステロンの差はなく、脳破壊自体による影響と思われた。ICAM-1の発現に関しても同様な傾向が示唆されるものの、明らかな相違の有無に関しては定量的な評価法の検討が必要と考えられる。 また、神経ペプチドの関与を調べるために、サブスタンスPの脳室内投与を行い、その後抗原誘発時の即時型反応への影響を血中ヒスタミンにより検討したが、明らかな変化は認められなかった。今後更に検討予定である。
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