1994 Fiscal Year Annual Research Report
大脳基底核の運動制御機構:尾状核に入力する後頭葉高次感覚系神経情報の性能
Project/Area Number |
06770470
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
加藤 誠 大阪大学, 医学部, 寄付講座教員 (30214399)
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Keywords | 大脳基底核 / 尾状核 / 視覚 / サル |
Research Abstract |
最近、大脳基底核における尾状核の体部・尾部には、大脳皮質の中でも感覚を処理している後頭葉、側頭葉、頭頂葉から広く入力を受けていることがわかってきた。さらにこれらの感覚系でも一次感覚野以外の高次機能をつかさどると考えられている領域からも入力を受けており、基底核でこれらの情報をもとに認知・行動の制御をしていることが推測されるが、その機能はよくわからない。本研究では側頭葉から入力を受けていると考えられている尾状核の尾部を中心に高次視覚刺激に応じるような活動があるかどうか検索を行った。ガス麻酔下の亜急性的手法を用いて、活動の記録は、色々な図形をモニター上に提示する、または、色々な物体を見せて視覚刺激を行い、微小電極を用いて細胞外記録を行った。本年度は本研究代表者の所属が変わったため、十分に研究できなかったが、以下のことがわかった。尾状核の細胞の活動は、麻酔下おいても視覚刺激によって活動を誘発することができた。自発活動は従来尾状核頭部・体部で知られているように、ほとんどなかった。視覚刺激による応答は、一過性ではあるが、視覚刺激が適している物であれは視覚提示期間中(約1秒)は、持続した。Caanら(1984)は、尾状核尾部の活動の特徴として、容易にhabituateすることを強調している。本研究において、視覚刺激がその細胞にそれほど適していない場合は、容易にhabituateする事が確認されたが、視覚刺激が非常に適している場合には必ずしもhabituateすることはなく、ある程度視覚刺激を繰り返してもよく応じた。刺激選択性については、側頭葉のTEに比べると、特定の図形にreductionしていくことが困難で、比較的、選択性は高くない様であった。しかしながら、この領域は、側頭葉のSTS近辺からも入力を受けており、STSの細胞は比較的、選択性は高くないものもあるので、その入力を反映しているのかもしれない。いずれにしても、まだ視覚応答が特定された細胞数が少ないので今後の実験、解析が必要である。
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