1994 Fiscal Year Annual Research Report
X染色体短腕部分に遺伝子欠損を伴う隣接遺伝子症候群に関する研究
Project/Area Number |
06770562
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
西村 真一郎 広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (00228222)
|
Keywords | 隣接遺伝子症候群 / X染色体 / ステロイド・サルファターゼ欠損症 |
Research Abstract |
(1)これまでのstroid sulfatase(STS)遺伝子欠損症の遺伝子欠損範囲の検討では、隣接した遺伝子欠損の存在する症例が一例追加された。症例は、臨床症状としてはSTS欠損に起因する魚鱗癬のみであり、X-linked recessive chondrodysplasia punctata(XRCDP)様の症状や外性器、嗅覚の異常などKallmann症候群の症状は認められなかった。高精度染色体分析法では欠損その他の異常はなかったが、Southern blot法による解析ではpTAK10a(DXS89),pSTS76(STS),M1A(DXS31)をプローブとした場合にシグナルが認められず、DXS89〜DXS31の範囲での遺伝子欠損と考えられた。 また、Conradi症候群一例とRad症候群一例の遺伝子欠損範囲の検討では明らかな隣接遺伝子の欠損は見つかっていない。現時点でのSTS遺伝子座近傍の遺伝子座は以下のように考えられる。 cen-DXS143-KAL-DXS89-STS-DXS31-XRCDP-MIC2-(SS)-ter (2)PCR法でのSTS遺伝子欠損同定は、いくつかのプライマーでは再現性をもってポジティブコントロールが得られたが、男性コントロールではY染色体の一部を認識すると考えられるバンドも認められた。そのためSTS欠損症での遺伝子診断のためには複数のプライマーを用いた検討が必要と考えられた。 (3)FISH法での保因者診断の試みは作成したプローブに問題があるのか、まだ正常コントロールでのhybridizationを確立している段階である。
|