1994 Fiscal Year Annual Research Report
自家骨髄移植におけP糖蛋白関連多剤耐性細胞の効果的なpurging法の研究
Project/Area Number |
06770565
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
石田 也寸志 愛媛大学, 医学部, 助手 (20221070)
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Keywords | P-glycoprotein / multi-drug resistance / 小紫胡湯 / doxorubicin |
Research Abstract |
昨年度は5μg/mlのCyAを抗癌剤に併用すると有意にCFU-GMコロニー形成を抑制することを明らかにした。骨髄のpurgingの際にコロニー形成が強く抑制されるCyA併用には臨床応用上問題があると考えられ、今年度は漢方薬によってP糖蛋白関連多剤耐性細胞の抗癌剤耐性が細胞レベルで克服できるのかどうかを検討した。 【方法】K562/ADM(東京大学鶴尾隆教授より分与)のようにP糖蛋白を過剰に発現している耐性細胞株とK562のように発現していない細胞株に対し、in vitroで各種濃度のdoxorubicinと37℃で72時間接触させ、増殖した細胞数を計測しコントロール(抗癌剤無添加)との比率をだし、増殖抑制効果を算出した。その時に小紫湖湯または十全大補湯を同時併用して、非併用時と50%細胞増殖抑制に必要な抗癌剤濃度(IC_<50>値)を比較した。 【結果と考察】K562/ADMでは0.5μg/mlの小紫胡湯を加えたときのみIC_<50>値が1200ng/mlから400ng/mlに低下し、十全大補湯やG-CSFを加えたときには変化がみられなかった。またこの変化は小紫胡湯を加えてもK562親細胞では認められなかった。この現象がP糖蛋白と関連あるものなのかどうかは現在のところ不明である。これまでに漢方薬によるP糖蛋白関連の耐性克服を検討した研究はみられない。今回の結果はまだpreliminaryであり、今後再実験を経て、再現性を持ったデータを集積したいと考えている。もし小紫胡湯がP糖蛋白関連の耐性克服機能を有するとしたら、副作用はこれまでの耐性克服薬剤よりも少ないことが予想され臨床応用も期待される。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 石田 也寸志: "小児急性白血病の治療成績" 愛媛医学. 13. 565-572 (1994)
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[Publications] 石田 也寸志: "血球貪食症候群の臨床的検討" 日本小児血液学会誌. 9. 931-936 (1995)
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[Publications] 石田 也寸志: "小児期の好中球減少性疾患に対するG-CSFの臨床効果" 愛媛医学. 14(印刷中). (1995)
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[Publications] 石田 也寸志: "小児期固型腫瘍に対する化学療法時のG-CSFの臨床効果" 愛媛医学. 14(印刷中). (1995)
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[Publications] Yasushi Ishida: "Disaggeovance of cydic flucfuations in the numler of neutroyhils by the comfination thuapy G-CSF with high-dase iumunoglobuli" Acta Pediatrice Japanica. (in press). (1995)
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[Publications] 石田 也寸志: "小児組織球増殖性疾患の臨床" 愛媛県医師会報. 694. 28-34 (1994)