1994 Fiscal Year Annual Research Report
多次元自己回帰モデルによる先天性心疾患患者の血流波形の要素波解析(総頚動脈、前大脳動脈、動脈管の血流波形について)
Project/Area Number |
06770573
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
古城 昌展 大分医科大学, 医学部, 助手 (10215262)
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Keywords | 多次元自己回帰解析 / 要素波解析 / 頚動脈血流量波形 / 心室中隔欠損 / 心不全 / 脳循環障害 |
Research Abstract |
[目的]多次元自己回帰解析を用いて心室中隔欠損(以下VSD)が頚動脈血流量波形(以下CABFW)に及ぼす影響を明らかにすること。 [対象]VSDは1カ月から10歳までの11例、年令を対応させた正常児27例を対象とした。 [方法]安静閉眼時、仰臥位において超音波血流量測定装置DFM4500(林電気)のプローベを右胸鎖乳突筋の内側に置き、CABFWと心電図を磁気記録し、心電図のR波をトリガーとして10回のCABFWの平均加算波形を求めた。さらに、これをアナログ・デジタル変換器(TEAC)およびパーソナルコンピュータmodel216(YHP)を用いてAD変換したのち、サンプリング間隔100Hz、平均RR間隔をデータ長として離散時系列を求めた。この時系列MARAを施し、インパルス応答(simulated CABFW)とその構成要素波の減衰周波数、パワーを得た。 [結果]1、VSDも正常児と同様、減衰周波数別に6群の要素波(I:0Hz,II:1-5Hz,III:5-8Hz,IV:8-13Hz,V:13-17Hz,VI>17Hz)に分類できた。2、小欠損で無症状のVSD8例では、トータルパワーおよび要素波のパワーはいずれも正常児と差異がなかった。3、多呼吸、体重増加不良などの中等度心不全の1カ月の2例では、トータルパワーは正常範囲で、IおよびIV群のパワーが正常値の+2.5SDより大であった。4、人工呼吸を要した重症心不全の3カ月の1例では、トータルパワーおよびI、II、IV群のパワーがいずれも-5SD未満であった。 [結論]1、小欠損VSDはCABFWに影響を及ぼさなかった。2、中等量短絡例では頚動脈に対する心収縮のインパルスは大きく、代償機転が働いていると考えられた。3、大量短絡例では心収縮とそれによる血管壁へのインパルスが低下し、脳循環障害が示唆された。
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Research Products
(1 results)