1994 Fiscal Year Annual Research Report
先天性心疾患術前後における心房性および脳性ナトリウム利尿ペプチド
Project/Area Number |
06770608
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
寺口 正之 関西医科大学, 医学部, 助手 (50257937)
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Keywords | 心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP) / 脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP) / 小児期先天性心疾患 / 心不全 / 開心術 |
Research Abstract |
小児期心疾患の57例(男32例、女25例、平均年齢3.3歳)において血漿心房性および脳性ナトリウム利尿ペプチド(ANP、BNP)を測定した。22例においては手術前後で比較した。 <結果> 1、心不全が強くなるほど、血漿ANP値・BNP値は上昇した。BNP/ANPに差はなかった。 2、左右短絡疾患では、血漿ANP値・BNP値は体肺動脈圧比と有意の相関があった。また体肺血流量比が2以上の例は有意に高値であった。 3、心室圧負荷を示す疾患では、短絡の少ないVSDに比しBNP/ANPは有意に高値であった。 4、開心術前後の検討では、血漿ANPは人工心肺終了直後に上昇し、血漿BNPは術後1日で上昇した。 5、手術前と1週後を比較すると、血漿ANP値に差はなかったが、血漿BNP値は有意に高値であった。 以上の結果から、血漿BNPの測定は血漿ANPと同様に、小児期心疾患の心不全重症度を把握するのに有用であった。また心室圧負荷はBNPの分泌刺激になっている可能性が示唆された。
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