1994 Fiscal Year Annual Research Report
鰓、耳、腎症候群(BOR)座領域のDNA多型マーカーの作製と連鎖解析
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06770612
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
渡辺 順子 久留米大学, 医学部, 助手 (40258489)
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Keywords | BOR / HYRC gene / 8q11-q13 / SCID / STS / YAC |
Research Abstract |
鰓・耳・腎症候群(Branchio-oto-renal syndrome:BOR)は鰓弓由来器管・組織の奇形、難聴、腎の低形成・異形成などを特徴とする常染色体優性遺伝性の先天奇形症候群である。BORの責任遺伝子座は連鎖解析から8番染色体長腕q11-q13の範囲にあると推定されているが、より詳細なマッピングを行うために、当該領域からのYACクローン単離をこころみた。 1.細胞およびコスミドライブラリーの作成.重症免疫不全(scid)マウス細胞とヒト細胞の融合により生じたヒト・マウス雑種細胞RD15/5は、scidマウスの放射線高感受性の原因となる遺伝子異常を相補するヒトの遺伝子(HYRC)が存在する、染色体断片8q11-q13領域を含む。今回この雑種細胞RD15/5を用い、コスミドライブラリーを作成した。 2.ヒト特異的クローンの選択.ヒト全DNAをプローブにコスミドライブラリーをスクリーニングし、得られた陽性クローン378個のうち、ドットブロットハイブリダイゼーションによりマウス全DNAにハイブリダイゼーションするクローンを除外し、さらにFISH解析を行いヒト染色体8q11-q13領域にマッピングされた14個のクローンのみを解析した(3段階スクリーニング)。 3.STSsの作成.14個のヒト特異的クローンをサブクローニングして得られたプラスミドクローンについてサザンブロットハイブリダイゼーションを行い、得られた5個のユニークなプラスミドクローンの塩基配列を解析しプライマーを設計した。 4.YACの取得.5種類のプライマーは、有効なSTSsとなりうることを確認後、CEPH YAC libraryの3次元スクリーニング法を用いて、当該領域にマップされる5種類のYACを単離し得た。
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