1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06770618
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
窪田 卓 秋田大学, 医学部, 助手 (60250875)
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Keywords | 遺伝子診断 / チロジナーゼ / 白皮症 / P蛋白 |
Research Abstract |
先天性白皮症はチロジナーゼ陰性型と陽性型に分類される。前者はチロジナーゼ遺伝子の変異により、活性のある酵素蛋白が生合成されないために発症することが富田らにより明らかにされている(BBRC 164:990,1989)。一方、後者のチロジナーゼ陽性型白皮症について、Rinchikらは膜結合性のP蛋白の遺伝子変異により発症すると最近報告した(Nature 361:72,1993)。P蛋白は、アミノ酸の一つであるチロシンのキャリア蛋白である。この蛋白の遺伝子変異により、この蛋白の機能が失われて、メラノソーム内にメラニン生成の出発物質であるチロシンの供給が出来なくなるために、メラニン生成が起こらなくなるのであろう。ところでチロジナーゼ陽性型はチロジナーゼ活性が存在するというだけで一つのカテゴリーに分類されているので、P蛋白異常以外の病因も含まれているはずである。本研究の目的は、P蛋白遺伝子を利用した陽性型白皮症の遺伝子診断を確立し、それによって陽性型白皮症患者のうちP蛋白異常がどの程度占められるのかを、明らかにすることである。そこでまずチロジナーゼ遺伝子の蛋白coding regionに変異のないことが確認されている陽性型白皮症患者のP蛋白遺伝子異常の検索を行ったが、なんら変異は見い出されなかった。この結果は、チロジナーゼ陽性型白皮症には明らかにP蛋白以外の異常により発症する患者が存在することを示している。
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