1994 Fiscal Year Annual Research Report
顕微蛍光測光法を用いた悪性黒色腫の細胞核DNA量の測定および各種予後因子の解析
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06770623
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
梅林 芳弘 筑波大学, 臨床医学系, 助手 (60251063)
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Keywords | 悪性黒色腫 / 蛍光顕微測光法 / 予後 / 転移 / 多変量解析 / 数量化理論 |
Research Abstract |
当院で経験した悪性黒色腫47例の原発巣の細胞核DNA量をDAPI(4,6-diamidinophenylindole)蛍光顕微測光法により測定した。DNAヒストグラムパターンは,全例aneuploid patternを呈した。正常2倍体細胞の核DNA量を1としたときの腫瘍細胞DNA量をDNA indexとして算出したところ,1.18から2.80まで分布し,平均は1.74±0.42であった。一方,良性母斑のDNAヒストグラムパターンは,すべてdiploid patternであり,DNA indexは,1.01から1.13まで分布し,平均は1.07±0.05であった。このことから,本法は悪性黒色腫の生物学的悪性度を鋭敏に検出できる方法であることが判った。前記47例の生存期間と,種々の因子との関係をKaplan-Meier法により解析した。検討した因子は,細胞核DNA量のほか,性,年齢,湿潤レベル,腫瘍厚,組織型,病期,所属リンパ節転移の8項目である。結果,細胞核DNA量(p<0.0001),所属リンパ節転移(p=0.0003),病期(p=0.007)の3項目が有意に予後と相関していた。細胞核DNA量と他の因子の関係を解析したところ,湿潤レベル,腫瘍厚,組織型,病期,所属リンパ節転移と相関する傾向はあったが,いずれも有意の相関ではなかった。数量化理論などの多変量解析により,各因子の予後に及ぼす影響を検討したところ,いずれも細胞核DNA量の寄与が最大という結果であった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 梅林芳弘,大塚藤男: "数量化理論II類を用いた悪性黒色腫の予後因子の解析" 日本皮膚科学会雑誌. 104. 1235-1239 (1994)
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[Publications] 梅林芳弘,大塚藤男: "数量化理論I類を用いた悪性黒色腫の予後因子の解析" 日本皮膚科学会雑誌. 105. 7-12 (1995)
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[Publications] 梅林芳弘,大塚藤男: "悪性黒色腫の転移に関係する諸因子の重みづけの検討-数量化理論II類を用いた解析の試み〜" 日本皮膚科学会雑誌. 105(印刷中). (1995)
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[Publications] 梅林芳弘,大塚藤男: "悪性黒色腫の予後に関する判別分析" 日本皮膚科学会雑誌. 105(印刷中). (1995)
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[Publications] Yoshihiro Umebayashi et al.: "Progurtin Significance in Malignent Melemoma of Nuclear DNA Content Mlaslvrid by Microfluorometin Method" Arch Devmetlo Des. (in press).