1994 Fiscal Year Annual Research Report
インターフェロンによる肺炎の早期診断ならびに発症の予測に関する研究
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06770720
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
橋本 順 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20228414)
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Keywords | インターフェロン / 肺炎 / 診断 / I-123-IMP / ヨードアンフェタミン / 核医学 / Tc-99m-HMPAO |
Research Abstract |
I-123-IMP(IMP)の肺からの洗い出しを計測することによりインターフェロンによる肺炎の早期診断が可能であるか否かを検討することが本研究の目的である。1994年5月に薬剤により動物に誘発した肺炎の診断にTc-99m-HMPAO(HMPAO)の肺集積の測定が有用であるという論文が報告され、IMPと異なりHMPAOは調整が簡便で、wash-oput rateの計測が不要であることからインターフェロンによる肺炎のモデルに対してIMPとHMPAOの双方を用いた実験を試みた。 実験動物としてはラットを使用し、先ずインターフェロン投与前にIMPもしくはHMPAOを投与して肺集積の計測を行った。IMPの場合には投与後からプラナー動態撮像を行い、肺野全体に関心領域を設けて時間放射能曲線を作成し、曲線を2つの指数関数の和として表すことにより洗い出しを解析した。HMPAOの場合は投与後5分から5分間のプラナー静態撮像を行い、肺野全体のカウントの投与放射能に対する割合を求めてこれを取り込みの指標とした。インターフェロンを投与後1-3カ月の時点で再びIMPもしくはHMPAOを投与して同様の解析を行い、投与前の解析結果と比較した。インターフェロンの投与量・投与間隔を変えての数種類のプロトコールで実験した。インターフェロンの投与量が多い場合にはIMPのwash-outの遷延ならびにHMPAOの肺野集積率の上昇が見られたものの、有意な変化を来すまでに至るインターフェロンの投与量は治療投与量と比べてやや多かった。 臨床研究においてはインターフェロン投与前後でIMPもしくはHMPAOを用いて同様の解析を行った。投与前における肺野集積や洗い出しの個体差は動物よりも著明で、投与前にコントロールデータをとることが必須であると考えられた。投与前後での差の有無についてさらにデータ数を増やして評価する予定である。
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