1994 Fiscal Year Annual Research Report
マウス膵島アミロイド蛋白ゲノム遺伝子の構造解析とその転写調節に関する研究
Project/Area Number |
06770811
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
西 理宏 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (90228148)
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Keywords | 膵島アミロイド蛋白 / 遺伝子構造 / 転写調節 / 膵B細胞 |
Research Abstract |
(1)マウス膵島アミロイド蛋白(IAPP)ゲノム遺伝子のクローニグ マウスIAPPcDNAをプローブとして、マウスゲノムライブラリーよりマウスIAPPゲノム遺伝子のクローニングを行った。マウスIAPP遺伝子は全長約5.8kbであり、ヒトおよびラットと同様3エクソンより構成されていた。転写開始部位はTATA-boxより33bp下流のGであった。-32〜-26bpにラット同様CCAAT-boxが認められ、ヒトでは認められないことより、ヒトと齧歯類で発現調節機構が異なっている可能性も示唆される。また、-140〜-120bp付近にはインスリン遺伝子の転写調節エレメントであるE-boxあるいはP1領域類似の塩基配列が認められた。 (2)CAT assayによるマウスIAPP遺伝子転写調節領域の解析 マウスIAPP遺伝子5'上流部(-2.5kb〜+423bp)の種々の長さのDNA断片を導入したIAPP-CAT reporter gene constructを作成し、マウス・インスリノーマ細胞株(β-TC3)へ導入し、CAT活性を指標に各constructのプロモーター活性を検討した。その結果、-171〜-87bpの部位が転写調節に関与しており、なかでも-143〜-111bpの領域が重要と考えられた。同部位にはE-boxやP1領域類似の塩基配列が存在するため、それぞれに変異を導入し検討したところ、両者とも転写調節に関与しているが、特にP1類似のTAAT配列が重要と考えられた。また、イントロン1の欠失により転写活性が低下するため、イントロン1にもエンハンサーの存在する可能性が示唆された。
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[Publications] 江川 公浩 他: "マウス膵島アミロイド蛋白(IAPP)遺伝子のクローニング" 関西鍼灸短期大学与報. 8. 44-47 (1992)
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[Publications] 西 理宏 他: "マウス膵島アミロイド蛋白(IAPP)遺伝子のクローニング" インスリン研究1992(年報 vol.14). 14. 101-104 (1993)
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[Publications] 江川 公浩 他: "マウス膵島アミロイド蛋白遺伝子のクローニングとその転写調節領域の解析" 分子糖尿病学. 6(予定). (1995)