1994 Fiscal Year Annual Research Report
腎移植兼膵ランゲルハンス島移植での、両移植間の最適の移植時期を見い出す研究
Project/Area Number |
06770909
|
Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
古屋 智規 秋田大学, 医学部, 助手 (60250891)
|
Keywords | 膵ランゲルハンス島移植 / 腎移植 / 免疫学的エンハンスメント |
Research Abstract |
1.実験デザインの検討: 本実験では腎の長期生着が必要であるが,当初の計画である,純系ラットBNからLEWへの組み合わせでは,腎の生着期間が十分に得られなかった。そこで,免疫抑制の併用あるいは,他の組み合わせへの変更を検討した結果,主要組織適合抗原が同じで非主要組織適合抗原のみ異なるF344→LEWが適当と判断した。 2.F344→LEWでのラ島/腎移植:上記組み合せにおいてラ島移植または腎移植を行い,生着日数を検討した。 (1)腎臓の生着日数(生存日数)は中央値20日で,20日における生着率は60%であった。 (2)ラ島移植:移植1日後の血糖は100mg/dl以下となった後,同レベルを維持,8日以降250mg/dl以上となった(生着日数中央値:8日)。 (3)腎ラ島同時移植:腎の同時移植にて,ラ島の生着日数延長の程度を確認中である。 3.免疫学的および組織学的検索:HEおよび免疫学的組織学的検索にてラ島の易拒絶性を確認した。 4.今後の予定,及び課題:現在腎同時移植によってラ島の生着率改善を証明しつつあり,免疫学的エンハンスメントが得られるものと考えられた。今後,腎移植の時期を変えて,最適の移植時期を検討,エンハンスメントと感作との関連を明らかにする予定である。その後,さらにlymphocytotoxic antibody titer,MLR等の免疫学的検索を行い,その機序解明を検討する計画である。
|