1994 Fiscal Year Annual Research Report
異種移植における補体調節因子の役割(とくに細胞間移行について)
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06770938
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
新開 真人 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (10216210)
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Keywords | 異種移植 / 補体調節因子 |
Research Abstract |
補体欠損ラットの入手について 日本国内で飼育されているPVGラットの補体レベルを確認する目的で、三共ラボラトリ-社提供のPVGラットのCH50を測定したところ、23.3〜66.1CH50/1といずれも測定可能であり、Wistarラットに匹敵するレベルであった。従って、Brauerら(1993)の述べている補体欠損(特にC6欠損)ラットは見つからなかった。 グラフト心のex vivo perfusionモデルの作成 補体欠損ラットを用いた移植実験ができなかったため、ex vivoでグラフト心の灌流実験を行った。グラフト右心室より脱血し、ECMOのhollow fiberを用いた簡単なoxygenatorを通して酸素化し、ポンプでグラフト大動脈に送血するというもので、回路のプライミングボリュームは約30mlである。グラフトとしてはWistarラット心を用い、灌流液を様々に替えてみた。コントロールとしてWistarラット血液を用いた場合、約90分の心拍動を維持できた。グラフトの拍動時間を推定するものは主にoxygenatorの機能であって、回路の酸素化が不良になりグラフトロスになったものが大部分であったことから、今後とも回路の改良が必要と考えられた。異種移植モデルを想定して、以下の灌流液を用いた。(1)モルモット血液、(2)ヒト血液(O型血球+AB型血漿)、(3)ヒト血液(O型血球+AB型加熱血漿)、(4)ヒト血液(O型血球+アルブミン) グラフトの組織学的検討では、免疫染色によって血管内皮細胞上のIgG,IgM,C3,CD55,CD59の存在を検討中である。CD55,CD59はヒトの補体制御因子であり、いずれもGPIアンカー型の膜蛋白質である。 抗体を用いたグラフトのpreconditioning グラフトのpreconditioningのひとつとして、blocking antibodyによる対外灌流をおこなうことにより、移植直後の異種抗体による超急性拒絶反応をを抑制できるのかを検討中である。 モルモット-ラット心移植モデルにおいて、ウサギの抗モルモット抗体をレシピエントであるラットに投与すると、グラフト生着時間が15分から30分〜2時間に延長することがわかった。しかし、この抗体で前もってグラフトを灌流したのち移植しても、生着延長にはつながらなかった。
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