1994 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト由来肝癌培養細胞によるTSP(Thrombo spondin)の発現様式
Project/Area Number |
06770944
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
内田 信治 久留米大学, 医学部, 助手 (00248428)
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Keywords | 肝癌培養細胞 / トロンボスポンジン / 発現 / 免疫生化学 |
Research Abstract |
トロンボスポンジン(TSP)は、癌転移に関与するとされる。主として血小板由来の糖蛋白で、細胞接着能、凝固促進能、細胞遊走能等を有しており、特に乳腺癌、偏平上皮癌等に多量に分泌されることが報告されている。しかし原発性肝癌に関するTSPの研究の報告はまだみられない。そこで我々は、肝癌細胞におけるTSPの発現状態および性状を検討する目的で、ヒト肝癌培養細胞株(KIM-1)を用いて免疫生化学的に検討した。2×10^4個のK1M-1細胞を、スライドガラス上で無血清下に3日間培養し、抗TSP抗体を用いて、免疫化学染色法(ABC法)、免疫蛍光染色法、共焦点レーザー走査顕微鏡解析法によりTSPの発現状態を検討した。さらにTCAによる濃縮培養上清と培養細胞ホモジネート液、またコントロールとしてヒト血小板由来TSPを用いてWesterc blotting法を行い、各々におけるTSPの有無を比較検討した。その結果、ABC法、免疫蛍光染色法では、すべての細胞においてTSP染色は陽性であった。また、共焦点レーザー走査顕微鏡解析では、核周囲の細胞質に顕粒状にTSPの発現を認めた。Wes-tern blotting法では、培養細胞ホモジネート液でヒト血小板由来TSPと同様にMW150,000のTSPを確認したが、培養上清とその濃度液中には認めなかった。これらの結果よりKIM-1細胞はTSP産生細胞であることが示され、その細胞内局在は核周囲の細胞質であることが強く示唆された。そして、KIM-1細胞内のTSPはヒト血小板由来TSPと同様の物質であると考えられた。
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