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1994 Fiscal Year Annual Research Report

腹部重症感染症における凝固異常症と臓器障害

Research Project

Project/Area Number 06770945
Research InstitutionUniversity of Occupational and Environmental Health, Japan

Principal Investigator

岡本 好司  産業医科大学, 医学部, 助手 (50248572)

Keywords腹膜炎モデル / 凝固異常 / 白血球エラスターゼ / 臓器障害
Research Abstract

日本白色家兎を用いた腹膜炎モデルにて、腹膜炎群(生食5ml/kg/hr)(n=8)、シャム群(生食5ml/kg/hr)(n=6)、ヘパリン群(生食5ml/kg/hr+ヘパリン60U/kg/hr)(n=8)、白血球エラスターゼ阻害剤(ONO-5046)使用群(生食5ml/kg/hr+ONO 5046,4mg/kg/hr)(n=8)の4群について以下の検査項目につき検討した。血中アルブミン(Alb)、総ビリルビン(T-Bil)、GOT、GPT、BUN、クレアチニン値(Cre)、白血球数(WBC)、赤血球数(RBC)、ヘモグロビン量(Hb)、ヘマトクリット値(Ht)、血小板数(Plt)、プロトロンビン時間(PT)、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)、フィブリノゲン(Fbg)、可溶性フィブリンモノマー(SFMC)、アンチトロンビンIII(AT III)活性、α2プラスミンインヒビター(α2PI)活性、病理学的検索-9時間面の採血後、犠牲死させ肺、肝、腎を採取。
腹膜炎群ではシャム群と比較して白血球数、血小板数の減少、肝機能、腎機能のパラメーターの悪化があった。凝固系では凝固時間の延長、SFMCの増加、AT IIIの減少がみられた。α2PIは変化しなかった。病理学的検索では肺に著名な出血をほとんど全例で認めた。
ヘパリン群では凝固時間の延長があったが、腹膜炎群でみられた肝・腎機能の悪化は抑えられていた。腹膜炎群で認めた肺出血も程度が軽かった。他の凝血学的パラメーターに差はなかった。
ON05046群では腹膜炎群でみられた肝・腎機能の悪化が抑えられており、さらに凝固系検査にてAT III活性の減少が有意に抑えられていた。肺の病理学的変化も軽度であった。
以上より、
1.消化管穿孔性腹膜炎モデルにて発症する臓器障害とAT III減少を特徴とする凝固異常は白血球エラスターゼ阻害剤にて改善することができた。
2.ヘパリン使用にても同様に改善がみられた。
3.白血球と凝固系の両者の活性化が密接に関わって消化管穿孔性腹膜炎時の臓器障害、凝固異常が発生することが示唆されると共に、治療に際してもこれらを念頭にいれることが重要と考えられ、今後更なる検討が必要であると考えられる。

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Published: 1996-04-08   Modified: 2016-04-21  

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