1994 Fiscal Year Annual Research Report
食道癌に対する制癌剤scveening panelの確立と併用療法に関する研究
Project/Area Number |
06770982
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
池田 健一郎 岩手医科大学, 医学部, 助手 (20254758)
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Keywords | scveening panel / 食道癌 / 制癌剤感受性試験 / トポイソメラーゼI阻害剤 |
Research Abstract |
食道癌培養細胞株計8株(TE-1,2,5,9,10,11,12,13)を用いて食道癌化学療法に汎用される3薬剤を含む4薬剤(CDDP,5-FU,VDS,VP-16)のdose response curveを作製し、各々のIC50値を検討した。その結果、TE-1は全ての薬剤に対し、点感受性であり、TE-10,11は、高感受性株であることが判明した。また、食道癌臨床検体を用いたSF-ATPAによる制癌剤感受性試験は、今までに施行してきた検体数を含め計約95検体で検討可能であり、検討例数の多いCDDP,5-FU,MMC,ADM,VP-16では、概ね15〜25%の感受性陽性率で、臨床におけるphase II studyの結果とほぼ同等の結果が得られた。 次に、近年様々な固形腫瘍において高い抗腫瘍活性を認め、新たな作用機序(細胞におけるDNA topologyを司る酵素topoisomerase Iを阻害)を有するtopoisomerase(Topo)I inhibitorであるcamptothecin(CPT)analog4薬剤(SN-38(SN);CPT11の活性体、9-Aminocamptothecin(9AC)、topotecan(TPT)、DX-8951(DX);新規合成水溶性topo I阻害剤)について、上記の食道癌株8株に対する抗腫瘍効果を検討した。すべてのanalogで、時間および用量依存性の殺細胞効果が認められ、4薬剤のIC50値を比較すると、全ての細胞株において殺細胞効果は、DX>SN>9AC>TPTの順であった。また、臨床食道癌検体16例においてこれら4薬剤の抗腫瘍効果を検討したところ、細胞株における結果と同様に、抗腫瘍効果はDX>SN>9AC>TPTの順であった。
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