1994 Fiscal Year Annual Research Report
健常成人における遠心性収縮時の体幹筋力に関する研究
Project/Area Number |
06771118
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
坂本 雅昭 群馬大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (10187049)
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Keywords | 体幹筋力 / 遠心性収縮 / 求心性収縮 / ピークトルク値 / 角速度 |
Research Abstract |
健常成人女性35名(平均年齢20.0±1.0歳,平均身長160.0±4.3cm,平均体重52.6±6.6kg)を対象とし,等速性筋力測定装置KINCOMIII(ジャパン・チャタヌガ社,現有設備)を用い,座位にて伸展15度から屈曲30度の体幹の屈曲・伸展を行い,腹筋・背筋の求心性・遠心性筋力を測定した。等速性運動速度は,15・30・45・60deg/secの5種類とした。各速度及び筋収縮形態毎の測定回数は3回とし,測定データは一度KINCOMIII本体附属コンピューターに取り込んだ。これら測定データをデータを本研究費により作成した解析プログラムにより,各試行毎のピークトルク値とピークトルク値が発揮された体幹屈曲角度を分析した。 その結果,体幹屈筋群の求心性収縮ピークトルク値は,角速度15〜60deg/secで78.9〜73.7Nmとほぼ一定の値を示した。体幹屈筋群の遠心性収縮では,94.1〜109.9Nmと角速度の増加に伴いピークトルク値も増加した。体幹伸筋群の求心性収縮ピークトルク値は,180.6〜153.4Nmと角速度の増加に伴い減少する傾向を示した。体幹伸筋群の遠心性収縮ピークトルク値では,242.9〜253.2Nmの範囲でほぼ一定の値を示した。ピークトルク値発揮角度は,体幹屈筋群の求心性・遠心性収縮時共に5.8〜12.3度の範囲でほぼ同値を示し,角速度の増加に伴い増加する傾向を示した。体幹伸筋群の求心性収縮では22.4〜18.6度,遠心性収縮では26.4〜22.6度と遠心性収縮で高い傾向を示し,どちらも角速度の増加に伴い減少する傾向を示した。 以上のように,健常成人女性における遠心性収縮時の体幹筋力について,体幹屈筋群,体幹伸筋群共に求心性収縮時と異なる筋力発揮特性を示すことが明らかとなった。
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