1994 Fiscal Year Annual Research Report
ショックにおけるエンドセリンおよびナトリウム利尿ペプチドの意義
Project/Area Number |
06771199
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
白神 豪太郎 京都大学, 医学部, 助手 (20235740)
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Keywords | エンドセリン / ナトリウム利尿ペプチド / ショック / 虚血 / 低酸素 / プロスタノイド |
Research Abstract |
ショックあるいは虚血や低酸素のエンドセリン(ET)ならびにナトリウム利尿ペプチド(ANP,BNP,CNP)の合成・分泌に及ぼす影響について以下の検討を行った。(1)ラット(250-300g)に脱血にて出血性ショックを作成した。血中ET濃度は脱血前、脱血後10分、30分、60分後に3ml脱血群では、それぞれ13.4±1.1、14.5±1.4、18.8±4.5、19.3±2.7pg/ml、6ml脱血群ではそれぞれ、13.4±0.8、13.9±0.8、18.6±2.1、34.5±6.7pg/mlと脱血前に比べて有意に増加し、出血性ショックにおけるETの意義が示唆された。外来性に投与したETによる昇圧作用はET受容体拮抗剤FR139317により用量依存性に消失した。ET受容体拮抗剤の出血性ショックラットに及ぼす影響について現在検討中である。ラットにLPS(5mg/kg)を投与しエンドトキシンショックを作成した。血中CNP濃度はLPS投与前、投与後1、2および4時間でそれぞれ、0.8±1.0、3.6±0.6、5.8±0.8、3.8±0.6fmol/mlと有意に増加した。(2)ウシ培養血管内皮細胞を低酸素(2%O_2)に暴露した。低酸素によりET分泌は増加した。CNP分泌については、抽出法およびRIAの感度の問題があり現在さらに検討を行っている。(3)ラット摘出灌流心臓標本にプロスタノイドを投与しANP分泌を検討した。ANP分泌量はvhicle群で3.4±0.5ng/minであった。10^<-6>MのPGF_<2α>、PGD_2およびTxA2で潅流後30分のANP分泌量はそれぞれ、9.7±2.1、8.0±1.9、6.6±1.6ng/minと上昇あるいは上昇傾向を示した。10^<-6>MのPGE_<2α>およびPGI_<2α>で潅流後30分のANP分泌量はvhicle群と変わらなかった。ラット摘出灌流心臓標本に虚血(15および30分)を導入しBNP分泌を検討したが、BNP分泌量の有意の変化は観察されなかった。(4)ラット摘出腸管膜動脈灌流標本からのCNP分泌量はvhicle群では0.8±0.3fmol/minであった。低酸素暴露、TNF_αやLPS投与によるCNP分泌量の変化は観察されなかった。
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