1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06771265
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小川 修 京都大学, 医学部, 助手 (90260611)
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Keywords | 喫煙 / 精子濃度 / 生殖細胞 |
Research Abstract |
当教室では、1984年より喫煙による尿変異原性の出現を調べてきたが、Ames試験にて喫煙者は受動喫煙者、非喫煙者と比べて尿変異原性を示した。また受動喫煙動物モデルとしてFisher344ラットを副流煙に暴露させたが、Ames試験にて有意な尿変異原性の上昇を認め、^<32>Pポストラベル法でラット尿抽出物にH-ras癌原遺伝子プラスミドDNAへの付加体形成能が認められた。そこで本研究では各種環境条件下において男子非喫煙者のタバコ煙吸入が精液所見および生殖細胞に及ぼす影響について調べるために、以下のことを行った。1)男子不妊症外来受診者における喫煙の有無と精液所見の関係を解析した。2)受動喫煙の動物モデルを用いて精巣生殖細胞におけるDNA付加体の形成を検討した。まず我々は、喫煙と精液所見の解析を行うために京都大学病院泌尿器科不妊外来を受診した男子116名について精液検査を施行し、1日喫煙量と精子濃度および精子運動率の関係を調べた。その結果、有意ではないが喫煙量が多いほど精子濃度が低い傾向があった。精子運動率に関しては、喫煙の有無との関連性は認められなかった。つぎにラット精巣生殖細胞におけるDNA付加体形成の検討を行った。雄344ラット、4匹(体重100-150g)にたいし、タバコを15分間自然燃焼させて、1時間毎に4回、副流煙をケージ内に導きいれた。副流煙の暴露を5日間繰り返し、6日目に精巣を摘出、そのDNAを抽出した。そして^<32>Pポストラベル法のヌクレアーゼP1変法によりDNA付加体の解析を行った。しかし現在のところ、付加体は認めておらず、副流煙の暴露量を増やして解析を再度行う予定である。
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