1994 Fiscal Year Annual Research Report
SCIDマウスを用いたヒト型モノクローナル抗体作製法の開発及びその臨床応用の研究
Project/Area Number |
06771360
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
福地 剛 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (70245554)
|
Keywords | ヒト型モノクローナル抗体 / 子宮体癌 / Lewis^b型糖鎖 / SCIDマウス |
Research Abstract |
1.SCID-huマウスにおける、ヒト型抗体の作製 SCIDマウスにヒト末梢血リンパ球を移植したSCID-huマウスを用いて、ヒト型モノクローナル抗体の作製を試みた。今回の研究目的を子宮体癌に対する特異的なヒト型抗体の作製としたため、当初は体癌由来培養細胞株を抗原として、SCID-huマウスに免疫した。抗原の投与経路、投与スケジュール、細胞融合のタイミング、方法などについて検討を重ね、SCID-huマウスの系におけるヒト型モノクローナル抗体の作製に成功した。 当研究室にて樹立したヒト子宮体癌由来培養細胞株SNG-S及びその細胞膜分画lysateを免疫原とし、SCID-huマウスに免疫しマウス脾細胞とヒト、マウスヘテロミエローマ細胞とをPEGを用いて細胞融合した。その結果、高い効率でヒト型抗体を産生するハイブリドーマを樹立した。そのうち体癌細胞に反応する抗体産生株をスクリーニングし、最終的に4種のモノクローナル抗体を得たが、いずれも免疫組織化学的検索の結果、非特異的なものであった。 2.ヒト型抗Lewis^b型糖鎖抗体の作製 ここまでの検討の結果、ハイブリドーマの融合効率については再現性を持った良い成績が得られるようになったが、最終的に得られた抗体は特異性に乏しく、その対策として免疫原により純粋な物質を用いることとした。過去当研究室で樹立したマウス型抗子宮体癌モノクローナル抗体MSN-1は体癌と高率に反応することが確認されており、その認識抗体は主にLewis^b型糖鎖である。そこで、Lewis^b型糖鎖を糖脂質の形にして免疫原とし、MSN-1をコントロールにアッセイを行い抗Lewis^b型糖鎖抗体を作製することとした。そこで今回、免疫原が変わったため免疫のスケジュールを改めて検討する必要があり、現在検討中である。
|